研究分担者 |
大和 裕幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50220421)
増田 宏 東京大学, 人工物工学研究センター, 助教授 (40302757)
安藤 英幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (60323440)
渡辺 岩夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70010890)
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研究概要 |
本年度は,特徴領域の抽出のための要素技術の開発を行い,可視化結果の定量的な比較のための方法論を展開した。さらに,全情報の表示技術にもとづく階層的可視化手法を提案し,可視化情報の効率的な管理を可能にした。 定量的な比較のために提案した比較空間という概念は多くの可視化操作から質の高い可視化情報を引き出すために有効である。この比較空間は,簡単なデータ構造をもつことから設計情報として必要な幾何情報の抽出に適したものである。また,物体形状と流れ場の関連性を明らかにするなど,感度解析を支援するために強力なツールとなる。例えば,船型の変形が流れ場に及ぼす影響は,抵抗などの大域的な量によって調べられ設計に利用されてきたが一意性を示すことが難しかった。一方,比較空間を用いれば,空間的な変動量を定量的に調べることが可能となるため,設計に対する詳細な支援情報を与えることができる。 これまでの可視化操作には試行錯誤が多く存在し必要な可視化情報を得ることが難しかったが,それ以上に情報の漏れの問題が大きかった。提案した階層的可視化手法は,設計者が数値計算データから可視化を利用して必要な情報を引き出すことを支援するばかりでなく,全体可視化をベースとするために,可視化情報の漏れをできる限り少なくするという特徴をもつことを示すことができた。 本年度は,以上の要素技術を開発し,設計情報への展開のための指針を示した。さらに,並列計算システムの構築と基本性能の調査を行った。また,画像データベースを作成し,可視化情報の画像としての特性を調査し,可視化によって得られた情報の保存方法に対する考察を行った。
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