研究課題
最終年度として以下の成果を挙げた。(1)粒子法を使った圧力の計算において、実現象と違った激しい変動が生じることは解決されねばならない問題として残されていたが、補助計算を導入することでこの変動を減じ、実現象に一層、近い結果を得る手法を示した。(2)この手法を広く粒子法の研究者に広め、周知し、その有用性を公知する活動を行った。(3)粒子法計算では多量な記憶容量と高速な計算を必要とするが、パソコンを使ってそれらを可能にする並列計算システムを完成し、100万粒子を利用することが可能となるプログラムを我が国で初めて完成させた。(4)物体の水面突入時の衝撃圧力を求める実験を実施し、衝撃圧力実験の実施に当たって注意しなければならない項目を明確にした。計算状態を微妙に変化させることによって生じる衝撃圧力波形の変化の様子が、実測計測波形の変化の様子をよく説明していることが判明した。それ故に実験上、注意すべき事項について、粒子法による計算実験結果を参考にできると判断した。具体的に実験、計算において着水瞬間の状態を極めて精確に合わせないと両者の比較検討が正しくなされないことを示した。従来・衝撃力の実験と計算の比較において、違った評価がある場合があったが、それらは着水瞬時の初期条件に関わっている問題もあることを示唆した。実験条件を精確に計算条件に入力することが、こらの問題で重要であるかを示した。(5)粒子法に関して、外国を含めて多くの研究機関よりの問い合わせに対応し、国の内外を含めた若い研者たちに粒子法の有効性を示した。
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