研究概要 |
溶接部における高温割れ発生特性の定量的な把握とその評価方法を検討した. 1.高温割れ実験とその結果 梁を撓ませた状態で試験片を固定し,溶接を行い,割れ発生状況を確認した.その結果,以下の知見を得た. ・割れは溶融・非溶融領域の境界付近で発生している. ・溶融領域の形状は大きなネック部を有するが,割れの多くはネック部に集中した. ・試験片の幅や溶接速度により割れ発生確率が変化した. 2.有限要素解析モデルの作成 溶接熱影響部における高温割れ現象を数値解析するためには,熱伝導解析モデルと応力解析モデルを作成する必要がある.熱伝導解析に対するモデル化を検討し,以下の知見を得た. ・非定常解析を行うための解析手法を検討し,このような非線型性が強い問題においては,陽解法が効果的であることが判明した. ・潜熱の影響を考慮する特殊な有限要素を研究した.要素サイズが小さい場合には,潜熱の影響を熱容量に加えればよい.要素サイズが大きい場合には,熱分布に従って溶融温度帯を設定し,その部分のみの熱容量に加えればよいことが判明した.2次元問題において,数値解析を行い,精度検証を得た.
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