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2002 年度 実績報告書

作物根系の水吸収・通導に関わる発育機能形態

研究課題

研究課題/領域番号 13460008
研究機関名古屋大学

研究代表者

山内 章  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30230303)

研究分担者 渡辺 彰  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50231098)
高倍 鉄子  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60089852)
巽 二郎  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00163486)
今井 貴規  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20252281)
キーワードアポプラスト / 異形性 / 下皮 / カスパリー帯 / 内皮 / 根 / シンプラスト
研究概要

本研究では,カスパリー帯,下皮・内皮の発達程度,導管の構成,種子根軸への導管連絡などの水吸収・輸送に関わる内部組織構造などの形態学的な情報を基にして,ソルガム種子根系(8日齢)における水の吸収・輸送構造を組み立てた.その結果,吸水能力の高い側根と,通導性が高いと考えられる種子根軸とによって構成されている,種子根系基部側で水吸収が盛んで,向頂的に減少していく構造を形成していると推察した.
一方で,アポプラストのトレーサーであるSulphorhodamine G水溶液にソルガム(8日齢)を移植後,一定時間後に根系を採取し,根の各部位に蓄積したSulphorhodamine Gの量を測定することによって実際の水吸収量を推定した.その結果,種子根系全体に対して,表面積でも,Sulphorhodamine G蓄積量でも,側根が約3分の2を占め,側根が主要な水吸収器官であることが明らかとなった.さらに,根の種類や齢によって,吸水速度が異なることが明らかとなった.しかし,吸収が最も盛んな部位は根系基部ではなく,根端から約15〜20cmの部位であった.したがって,内部組織構造からのみでは,実際の水吸収・輸送のすべての説明することができず,齢の進行にともなうシンプラスト経由の水移動や導管の水通導性,種子根内の導管間連絡などを考慮する必要性が示された.
以上の結果,ソルガム種子根系を構成する根のうち,側根の間には異形性が存在し,これらの根の間では,水の吸収・輸送能と関わる内部組織構造が異なること,実際の水吸収においてもこれらの根の間では,吸収能が異なることが明らかになった.さらに,これら側根と種子根軸で構成される根系において,吸水能は,根の種類に加えて,齢の影響を強く受けており,異なる根や部位間で,役割を分担しつつ吸水・輸送機能を発揮していることが示された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 市川 里紗: "ソルガム種子根系における内皮・下皮と導管の成熟程度"日本作物学会記事. 71巻別号2. 214-215 (2002)

  • [文献書誌] 市川 里紗: "ソルガム種子根系における根の内部組織構造と水吸収の関係"根の研究. 11巻. 181 (2002)

  • [文献書誌] 市川 里紗: "作物根系の水吸収・輸送構造"農業および園芸. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] A.Ueda: "Analysis of salt-inducible genes in barley roots by differential display"J. Plant Res.. 115巻. 119-130 (2002)

  • [文献書誌] R.Waditee: "Functional characterization of betaine/proline transporters in betaine-accumulating Mangrove"J. Biol. Chem.. 277巻. 18373-18382 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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