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2001 年度 実績報告書

中国の完全甘ガキ品種の特異な甘渋性遺伝とそのタンニン蓄積機構の分子生物学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 13460015
研究機関京都大学

研究代表者

米森 敬三  京都大学, 農学研究科, 助教授 (10111949)

研究分担者 佐藤 明彦  農業技術研究機構果樹研究所, ブドウ・カキ研究部, 主任研究官
田尾 龍太郎  京都大学, 農学研究科, 講師 (10211997)
山田 昌彦  農業技術研究機構果樹研究所, ブドウ・カキ研究部, 研究室長
神崎 真哉  近畿大学, 農学部, 助手 (20330243)
キーワードカキ / 羅田甜柿 / PCNA / 甘渋性遺伝 / タンニン
研究概要

まず、中国の完全甘ガキ品種である'羅田甜柿'と日本の完全甘ガキ品種との交雑により、渋ガキが生じるかどうかを確かめるために、農研機構果樹試験所ブドウ・カキ研究部で維持されている'羅田甜柿'に'太秋'を交雑して得られたF_1集団34個体について、そのタンニン細胞の大きさを成熟期に測定した。その結果、日本の完全甘ガキ個体同士の交雑からは生じることがない、タンニン細胞の大きな渋ガキ個体が多数存在することが明らかとなり、'羅田甜柿'の甘渋性の遺伝様式の特異性が明確となった。またその分離比はタンニン細胞の小さい個体:大きい個体が22:12となり、渋ガキ個体がかなりの頻度で生じることが明らかとなった。また、これら個体のタンニン物質の分子量分布およびアセトアルデヒドとの反応性を調査したところ、親の'羅田甜柿'およびそのF_1世代のタンニン細胞の小さい個体、大きい個体はいずれもその分子量分布が日本の完全甘ガキと比較するとかなり大きく、日本の渋ガキと同等の分子量分布を示した。さらに、アセトアルデヒドとの反応性も渋ガキ同様、かなり高く、タンニンの化学性は日本の完全甘ガキとは異なり、渋ガキと近いことが明らかとなった。
さらに、このF_1世代を用いたDifferential Display法により、タンニン細胞へのタンニン蓄積に関与する遺伝子を探索する試みを予備的に検討したところ、現在、いくつかの候補が見つかりつつあり、来年度さらにこの試みを進展させる予定である。
最後に、中国の羅田県で海外共同研究者の王氏の協力で調査を行い、'羅田甜柿'以外にも完全甘ガキが中国に存在することを確認し、今後'羅田甜柿'の起源を調査する手掛かりを得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 野坂光範, 神埼真哉, 米森敬三, 佐藤明彦, 山田昌彦, 杉浦明: "PCRを利用した完全甘ガキ個体の簡易判別法の可能性"園芸学会雑誌. 70(別2). 401-401 (2001)

  • [文献書誌] 佐藤明彦, 神埼真哉, 米森敬三, 池上礼子, 山田昌彦, 羅正栄, 王仁梓, 楊勇: "中国湖北省羅田県に存在する甘ガキ品種・系統の調査"園芸学会雑誌. 71(別1)(発表予定). (2002)

  • [文献書誌] 池上礼子, 米森敬三, 佐藤明彦, 山田昌彦, 杉浦明: "日本および中国原産の完全甘ガキにおけるタンニン物質の分子量分布と脱渋特性について"園芸学会雑誌. 71(別1)(発表予定). (2002)

  • [文献書誌] K.Yonemori, A.Ikegami, S.Kanzaki, A.Sugiura: "Unigue features of tannin cells in pollination constant and non-astringent(PCNA)type persimmon fruit"Acta Horticulturae. (未定)(in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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