研究課題/領域番号 |
13460030
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大山 卓爾 新潟大学, 農学部, 教授 (30152268)
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研究分担者 |
大竹 憲邦 新潟大学, 農学部, 助手 (50313507)
末吉 邦 新潟大学, 農学部, 助教授 (10216278)
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キーワード | ダイズ / 根粒 / オートレギュレーション / 硝酸 / 根粒超着生変異株 / 光合成産物 / 根 / 分配 |
研究概要 |
ダイズは、根粒の過剰着生を抑制するための根粒形成自己制御(オートレギュレーション)機構を有することが知られている。近年、化学変異剤により、オートレギュレーション機能が欠損ないし、低下した根粒超着生変異株が得られた。オートレギュレーションの過程では、根粒菌の感染シグナルが地上部へ伝達され、それを受け取った地上部から地下部へ根粒の生長を抑制するオートレギュレーションシグナルが伝達されると予想されている。しかしながら、感染シグナルもオートレギュレーションシグナルも物質は同定されていない。本研究では、根粒超着生変異株と親株を用い、これらのシグナル物質の探索を行った。 本年度の実験では、ダイズ品種Williamsとそれより分離された根粒超着生変異株NOD1-3における、光合成産物の分配と根粒の硝酸阻害の関係について調べた。根粒超着生変異株は、根粒形成、根粒肥大、窒素固定活性が硝酸によつて阻害されにくい性質を併せ持つ。 無窒素培養液で栽培したWilliamsとNOD1-3に、0mMまたは5mM硝酸培地で処理したところ、Williamsでは、硝酸処理翌日には根粒の生長が完全に停止したが、NOD1-3では、硝酸処理2日後まで、根粒の生長が持続した。このことは、根粒超着生変異株では、根粒の生長も硝酸阻害を受けにくいことを示す。 また、無窒素栽培では、Williamsでは、地下部へ輸送された光合成産物の60%が根粒へ分配したが、NOD1-3では、90%近くが根粒へ分配された。この原因には、NOD1-3では、光合成産物の分配が根よりも根粒へ多いため根粒が多数形成されたか、または、根粒が多数形成されたため多くの光合成産物が根粒へ分配された可能性が考えられる。培養液に5mM硝酸を添加するとWilliamsでは、根粒への光合成産物の分配は20%以下に低下したが、NOD1-3では、約40%に留まった。
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