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2001 年度 実績報告書

黄色ブドウ球菌の血球崩壊毒素の膜孔形成と標的細胞認識機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13460034
研究機関東北大学

研究代表者

神尾 好是  東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00109175)

研究分担者 樋口 秀男  東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90165093)
金子 淳  東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30221188)
冨田 敏夫  東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00126129)
キーワードStaphylococcus aureus / leukocidin / γ-hemolysin / 膜孔形成
研究概要

1)LukFとHlg2モノマーの三次元構造解析:LukSの結晶化を進めている。結晶条件を検討した結果、微小結晶を得ることができた。現在、より高い純度の精製標品の大量精製を進めている。
2)複合体膜孔の結晶機構解析:LukFのN-末端にHisタグを付加した変異体を作製した。
3)中間体の証明:システイン変異LukFを用いて膜孔中間体の電子顕微鏡下で直接観察に成功した。
4)1分子技術を用いたLukFとLukS成分のナノ構造のダイナミクス:TM-ローダミン並びにCy5蛍光標識したLukF並びにHlg2を用い、赤血球膜との結合定数、膜上での拡散定数を算出した。また、蛍光色素間のエネルギー伝達の解析から、膜孔における各成分間の距離、及び膜孔を形成するタイミングの解析を行っている。
5)新規膜結合型プロテインキナーゼの発見:S.intermediusの産生するロイコシジンのバリアントのS型成分のリン酸化を確認した。リン酸化部位はLukSとは位置が異なるが、推定される立体構造上の位置は血球膜表層接するステムの基部に当っていたことから、LukSと同様の新規プロテインキナーゼが関与していると考えられる。
6)ロイコシジンの血球膜におけるレセプターの同定:酵母の2・ハイブリッド系を用いてLukSと相互作用するタンパク質をコードするcDNAの単離を試みた。現在、レセプター候補が絞り込まれており、さらに解析を行っている。
7)γヘモリジンの赤血球膜におけるレセプターの同定:ウェストウェスタンによりHlg2と反応するレセプター候補の絞り込みを行っている。
現在、6),7),8)と共通の実験系として、ホスファチジルコリンからなるリポソームに、血球膜タンパク質を埋め込む系を確立中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 金子淳, 冨田敏夫, 神尾好是: "黄色ブドウ球菌の2成分性膜孔形成毒素の構造および細胞崩壊機構"蛋白質核酸酵素. 46(4). 497-505 (2001)

  • [文献書誌] Sachiko Narita, Jun Kaneko, Junichi Chiba, Yves Piemont, Sophie Jarraud, Jerome Etienne, Yohiyuki Kamio: "Phage conversion of Panton-Valentine leukocidin in Staphylococcus aureus : molecular analysis of a PVL-converting phage φSLT"Gene. 268. 195-206 (2001)

  • [文献書誌] Akihito Nishiyama, Marie Antonette Ruth, V.Guerra, Noriko Sugawara, Kenji Yokota, Jun Kaneko, Yoshiyuki Kamio: "Identification of serine 138 Residue in the 4-residue Segment K135K136I137S138 of Luk-S Component of Staphylococcus intermedius Leukocidin Crucial for the LukS-I-specific Function of Staphylococcal Leukocidin"Biosci. Biotechnol. Biochem. 66(2). 328-335 (2002)

  • [文献書誌] Yoshiyuki Kamio, Toshio Tomita, Jun Kaneko: "Staphylococcus aureus Infection and Disease"Kluwer Academic/Plenum Publishers, New York. 330 (2001)

  • [文献書誌] 神尾 好是, 冨田 敏夫, 金子 淳: "細菌毒素ハンドブック"サイエンスフォーラム. 587 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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