研究課題/領域番号 |
13460046
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 博章 京都大学, 薬学研究科, 教授 (90204487)
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研究分担者 |
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80199075)
山下 敦子 理化学研究所, 構造生物化学研究室, 研究員 (10321738)
中津 亨 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (50293949)
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キーワード | 時分割X線結晶構造解析 / 超高分解能X線結晶構造解析 / シンクロトロン放射光 / 膜タンパク質 / ラウエ回折 / タンパク質の結晶化 / 構造生物学 / 酵素反応 |
研究概要 |
1.時分割X線結晶解析(高時間分解能解析) ゲンジボタル・ルシフェラーゼと中間体アナログ、アデニル化デヒドロルシフェリンの複合体を作成してX線結晶解析を行い擬似反応中間体の構造を明らかにした。これは、本来短寿命の分子種を化学的な手法により捕捉することに成功したものである。その結果、ルシフェリンのアデニル化に関わる酵素の活性中心残基を初めて同定することに成功した。 2.超高分解能解析(高空間分解能解析) ポリガラクツロナーゼの立体構造を、X線と中性子線を用いて結晶構造解析を行った。その結果、0.7Å分解能のX線解析構造と1.5Å分解能の中性子線解析構造を決定することができた。超高精度の電子密度図と核密度図が得られており、水素を含めたタンパク質の立体構造を精密に調べることが実現した。 3.解析困難な状況のX線結晶解析 トウモロコシ由来のピルビン酸リン酸ジキナーゼのX線結晶構造解析を行い、反応に伴い中央ドメインが回転することを構造的に実証した。次いで、神経特異的なミリスチル化タンパク質であるCAP-23/NAP-22のミリスチル化ドメインとその結合タンパク質であるカルモジュリンとの複合体のX線結晶構造解析から、タンパク質の脂質修飾の一つであるミリスチル化がタンパク質間相互作用に直接関わることを分子レベルで初めて解明した。さらに、高等植物の光合成における酸素発生に関わるタンパク質PsbPのX線結晶解析に初めて成功し、PsbPがRun-GTPase結合タンパク質MoglPとよく似た立体構造であることを明らかにした。
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