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2002 年度 実績報告書

アルツハイマー病因ペプチドの凝集機構の解明と凝集阻害剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13460048
研究機関京都大学

研究代表者

入江 一浩  京都大学, 農学研究科, 助教授 (00168535)

研究分担者 清水 孝彦  東京都老人総合研究所, 分子老化部門, 研究員 (40301791)
キーワードアルツハイマー / Aβ42 / アミロイド / β-sheet / β-turn / 家族性アルツハイマー病
研究概要

アルツハイマー病因ペプチドであるβアミロイド(Aβ42、Aβ40)は、凝集により神経細胞毒性を示す。最近、家族性アルツハイマー病(FAD)の病因と考えられる各種変異型Aβ40の凝集活性が報告された。しかし、Aβ40よりもはるかに凝集能の高いAβ42のFAD変異体に関する報告はない。そこで、これまで報告されているすべてのFADの変異型Aβ42を対応するAβ40とともに高純度で化学合成し、凝集活性、神経細胞毒性および2次構造を調べた。
Fmoc固相法により、Flemish(A21G)、Arctic(E22G)、Dutch(E22Q),Italian(E22K)、Iowa(D23N)の各種変異型Aβ40およびAβ42を合成した。これらの凝集速度を、HPLCならびにチオフラピンT蛍光法によって調べたところ、Flemishを除いたすべてのAβ変異体は、対応する野生型よりも速く凝集した。特に、DutchおよびltalianのAβ42変異体の凝集活性が高く、アミロイド沈着による激しい脳内出血という症状とよく一致している。次にこれらの神経細胞毒性を、PC12細胞を用いたMTTアッセイにより調べた。その結果、Flemishを除いたAβ変異体の神経細胞毒性はいずれも野生型よりも高かった。一方で、Aβ40変異体の神経細胞毒性は、Aβ42変異体と比べて20〜200倍も低かったことより、C末端の2残基が高い凝集能と神経細胞毒性に必要であることが示唆された。さらに、これら変異型Aβの2次構造をCDおよびFTIRで解析したところ、β-sheet含量と凝集能との間に高い相関が認められた。しかし、高い凝集能を示したItalian変異体のβ-sheet含量は野生型よりも低く、代わりにturn構造が顕著に増大していた。これより、β-sheetとともにturnもAβの凝集において重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kazuma Murakami: "Synthesis, aggregation, neurotoxicity, and secondary structure of various β1-42 mutants of familial Alzheimer's disease at positions 21-23"Biochemical and Biophysical Research Communications. 294・1. 5-10 (2002)

  • [文献書誌] Akira Morimoto: "Aggregation and neurotoxicity of mutant amyloid β (Aβ) peptides with proline replacement : importance of turn formation at positions 22 and 23"Biochemical and Biophysical Research Communications. 295・2. 306-311 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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