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2002 年度 実績報告書

食糧種子タンパク質モジュレーターに関するプロテオミクスの展開

研究課題

研究課題/領域番号 13460055
研究機関東京大学

研究代表者

阿部 啓子  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10151094)

研究分担者 松本 一朗  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00291328)
キーワードダイズ / アスパラギン酸プロテアーゼ / コムギ / システインプロテイナーゼ / シスタチン
研究概要

食糧種子タンパク質モジュレーターとしてダイズのアスパラギン酸プロテアーゼ(AP)を中心に解析を行い、異なる5種(soyAP1〜soyAP5)のクローンを得た。これらについて発現部位と発現時期(発芽、登熟、葉、根、茎、子葉)をノーザン分析によって検討したところ、soyAP2は、発芽後の種子、葉、根、茎など、植物体のほとんどの部位に発現した。soyAP1は、soyAP2と塩基配列の相同性が極めて高く、soyAP2とほぼ同様の発現パターンを示した。これに対してsoyAP3、soyAP4は、いずれの部位、ステージにおいても発現が、ほとんど検出されなかった。soyAP1は、発芽過程においてsoyAP2とは対照的に休眠種子及び発芽の初期段階で発現した。次に発現部位を解析するためにin situハイブリダイゼーションをおこなった。その結果、soyAP2は、種子のうち子葉細胞、表皮細胞、維管束に分化する細胞などの広い範囲で発現したのに対し、soyAP1は、維管束に分化する細胞と胚軸付近に特に強い発現が見られた。このようにsoyAP2とsoyAP1はターゲット分子が異なることが示唆された。
プロテアーゼインヒビターとして小麦のシスタチンについても解析を行った。小麦種子にはWC1,2,3,4の4種のシスタチンが存在し、互いに45〜70%のアミノ酸の相同性を示した。これらのうち、WC1,2および4は登熟期に発現するものの、その後徐々に減少した。一方、発芽期にはWC1は他の分子種にくらべ明らかに発現が高かった。また、抗体染色から、WC1は種子全面に発現しているのに対し、WC4はアリューロン層と胚のみであった。これらのシスタチンWC1とWC4の生理機能が異なることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Arai, S.: "Plant seed cystatins and their target enzymes of endogenous and exogenous origin"J. Agric. Food Chem.. 50. 6612-6617 (2002)

  • [文献書誌] Fukami, H.: "Salicylic acid carboxyl methyltransferase induced in hairy root cultures of atropa bellado with exogeneously added salicylic acid"Plant cell Physiol.. 43. 1054-1058 (2002)

  • [文献書誌] Endo, Y.: "DNA microarray analysis reveals drastic changes in gene expression profile of rat liver in response to dietary protein"J. Nutr.. 132. 3632-3637 (2002)

  • [文献書誌] Hata, S.: "Domain II of m-calpain is a Ca^<2+>-dependent cysteine protease"FEBS Lett.. 501. 111-114 (2002)

  • [文献書誌] Ishimaru, Y.: "An actin binding protein, CAP, is expressed in a subset of rat taste bud cells"NeuroReport. 12. 233-235 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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