研究課題/領域番号 |
13460057
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 正明 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026572)
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研究分担者 |
乾 明夫 神戸大学, 医学部, 助教授 (80168418)
竹中 康之 京都大学, 農学研究科, 助手 (20273518)
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キーワード | β-lactotensin / neurotensin / NT1レセプター / NT2レセプター / D2レセプター / enterostatin / 補体C3a / 補体C5a |
研究概要 |
β-lactoglobulinから回腸収縮ペプチドとして単離したβ-lactotensin(HIRL)は摂食抑制ペプチドとして知られているneurotensinのレセプターに対して親和性を示し、弱いながら摂食抑制作用を示した。また、β-lactotensinは腹腔内投与90分後に血清トリグリセライド(TG)低下作用を示したが、neurotensinも同様な作用を有することをはじめて見出した。neurotensinレセプターサブタイプに選択的なアンタゴニストを用いた実験から、摂食抑制作用がNT1レセプターを介しているのに対し、TG低下作用はNT2レセプターを介したものであることがわかった。また、neurotensinレセプターサブタイプに選択的なアンタゴニストを用いた実験から、TG低下作用にはNT2レセプターの下流でdopamine D2レセプターが関与していることもわかった。 procolipaseから派生し、高脂肪食の摂取を抑制するペプチドとして知られているenterostatin(VPDPR)が経口投与の際に血清TG低下作用を有することをはじめて見出した。VPDPRによる摂食抑制作用は2週間の高脂肪食投与後に見られるのに対して、TG低下作用は摂食抑制が見られない3日間程度の短期間の高脂肪食投与後でも見られることから、摂食抑制に付随する二次的な効果によるものではない。また、neurotensinの場合と異なり、VPDPRによるTG低下作用は腹腔内投与90分後では見られず、3日間の経口投与後に認められた。 補体成分C3aが脳室内投与の際に摂食抑制を示すことをはじめて見出した。これは類似の補体成分C5aが摂食促進作用を示すことと著しく対照的であり、関与するセカンドメッセンジャーの相違をプロスタグランジン分子種について解析を進めている。
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