研究課題/領域番号 |
13460058
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河田 照雄 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10177701)
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研究分担者 |
都築 巧 京都大学, 農学研究科, 助手 (50283651)
井上 和生 京都大学, 農学研究科, 助手 (80213148)
伏木 亨 京都大学, 農学研究科, 教授 (20135544)
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キーワード | 肥満 / 脂質代謝 / エネルギー代謝 / 脂肪 / 核内受容体 / PPAR / アゴニスト / アンタゴニスト |
研究概要 |
「脂肪を摂取するとなぜ太りやすいのか」といった一般に知られている現象に対してさえも未だ現代の食品・栄養学は本質的な回答を持ち得ていない。ごく最近、核内受容体ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)の脂肪酸センサーしての機能が見いだされ、脂質代謝やエネルギー代謝上極めて重要な位置づけとなってきた。申請者らは、,これまでに肥満すなわち白色脂肪組織の過形成には、長鎖脂肪酸がリガンドとなりPPARがマスターレギュレーターとして遺伝子発現を転写レベルで制御し、さらに種々の栄養素によってその機能が修飾を受けることを世界に先駆けいち早く見いだしてきた。そこで本研究においては、(1)脂肪酸センサーとしてのPPARが、脂質代謝およびエネルギー代謝系遺伝子発現をどのような情報伝達機構で制御しているのか、(2)上記シグナル伝達機構は、どのようにして食事性因子による修飾を受けるのか、(3)低下した脂質代謝-エネルギー代謝系の機能再生は可能か、の3点を研究課題として期間内に明らかにすることを目的とした。その結果、PPARが食事由来の脂肪酸をリガンドとして脂質代謝およびエネルギー代謝系遺伝子の転写を制御すること、さらにこの細胞内情報伝系には核内転写因子の共役因子、特にCREB結合タンパク質(CBP)とそのホモログp300が深く関与していることが明らかとなった。また、褐色脂肪組織に存在し体熱産生に深く関わる脱共役タンパク質(UCP)の発現はPPARによって制御されることから、PPARリガンドにより低下した脂質代謝-エネルギー代謝系の機能再生の可能性が示唆された。
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