研究分担者 |
尾張 敏章 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00292003)
菊池 俊一 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10250490)
柿澤 宏昭 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90169384)
金子 正美 酪農学園大学, 環境システム学部, 助教授
山本 美穂 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10312399)
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研究概要 |
中村は,自身が中心になって活動している釧路湿原,標津川自然再生事業について整理し,復元計画の3つの段階である野外調査段階(情報収集),実験的検証段階(フィールド実験によって検証する:Adaptive Management),保全対策の実施段階を提案した。金子は,北海道における野生生物生息地評価について「野生生物の生息地を評価する」とは,時間軸(歴史的流れ)と空間軸(周囲の状況)について,その地域における景観要素の変化を捉えていくことだと考え,GIS(地理情報システム)による解析結果から,評価の試案を提案した。柿澤は,先進諸国のエコシステムマネジメントの動向について,資料収集・分析を行い,OECD諸国では自然資源管理政策について,総合化・多様な時空間スケールの組み込み・目標を「アウトプット」から「状態」へ転換・社会・経済・生態系の保全政策の連携・適応型管理の導入・協働といった方向に転換しつつあることが明らかになった。尾張は,北海道阿寒湖畔の財団法人前田一歩園財団が所有する森林(約3,500ha)を対象に,森林資源管理における空間情報の利用について検討し,データを一元的に管理するためのメタデータの作成を含むデータベースの構築を行った。池上は,エコシステム・マネージメントの理論および社会制度の構築とその適用に関して,環境計画論の視点から,地理情報を利用した広域自然環境の特性把握とゾーニングに関する手法の検討と,道路建設予定地周辺地域におけるエコシステム・マネジメントに関する研究の基礎的データを収集した。菊池は,樹木年代学的手法を用いて,時系列変化をするエコシステムの管理を考える場合には,動的自然史の認識と維持が重要な鍵となることを示した。山本は,土地利用に最も大きなウエイトを占める農林業と環境との関係を通して,エコシステム・マネジメントの可能性について検討した。
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