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2002 年度 実績報告書

マツ材線虫病の病原線虫の個体群構造と毒性の進化

研究課題

研究課題/領域番号 13460068
研究機関広島大学

研究代表者

富樫 一巳  広島大学, 総合科学部, 教授 (30237060)

研究分担者 相川 拓也  森林総合研究所, 技官
池田 武文  京都府立大学, 農学部, 助教授 (50183158)
井鷺 裕司  広島大学, 総合科学部, 助教授 (50325130)
キーワードマツノザイセンチュウ / 病原力 / 毒性 / 進化 / 固体群構造 / マイクロサテライト / 水ストレス
研究概要

1.山口県徳山市のアカマツ林で2001年に8本のアカマツが枯れ,そのサンプルから翌年にマツノマダラカミキリ雌成虫が43頭と雄成虫が43頭脱出した。また,2002年に10本のアカマツが枯れた。成虫と枯死木から線虫を分離し,個体別にDNAを抽出した。また,各サンプルから47アイソレイトを確立した。
2.上述のアカマツ林において1997年から1999年までの間に線虫が枯死木とマツノマダラカミキリ成虫から採集された。開発された4マイクロサテライト遺伝子座について平均すると,座位あたりの対立遺伝子数は6.0,Fis=0.11,Ht=0.54,Hs=0.43,Dst=0.12,Gst=0.22であった。
3.2001年に脱出したマツノマダラカミキリ成虫から14アイソレイトが,枯れたアカマツから10アイソレイトが確立された。アイソレイト当たり28本の2年生アカマツに5,000頭ずつ線虫を7月下旬に接種した。2003年2月には,前者の平均枯死率は26.9%(SD=21.0%),後者では38.5%(SD=14.3%)であった。
4.苗畑のクロマツに毒性の異なる線虫アイソレイトを,単独または2アイソレイトを混合して,7月下句に3000頭/本を接種した。11月下旬までの枯死率は弱毒性単独接種の場合0%,中〜強毒性単独接種の場合56%,混合接種の場合56%であった。混合接種によって枯れた木から線虫を分離したところ,3遺伝子座で対立遺伝子数が増加した。また,弱毒性アイソレイトの対立遺伝子も見つかったが,その割合は強毒性アイソレイトのそれより低かった。
5.5月下旬にアカマツ3本に弱毒性アイソレイトOKD-1を2万頭ずつ接種して抵抗性を誘導し,2003年の実験に供試する準備を行った。また,来年度行う水ストレスの実験のために,アカマツ苗木を鉢に植えて水管理を行った。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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