研究課題/領域番号 |
13460078
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 祐嗣 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70151686)
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研究分担者 |
田中 文男 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (10109069)
杉山 淳司 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40183842)
畑 俊充 京都大学, 生存圏研究所, 講師 (10243099)
菊池 光 エスエスアロイ(株), 研究開発部, 研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 木炭 / スギ / 透過型電子顕微鏡 / 空隙構造 / アモルファス構造 / ポーラスシェル構造 / 高配向性積層構造 / ナノ炭素構造 |
研究概要 |
炭素材料の物性、機能はその微細構造と表面化学構造に起因する。その中で、炭素六角網面の集合様式により形成される空隙構造は炭素材料の機能性の発現に大きく寄与する。空隙構造を可視化し、その形成機構を明らかにすることは木炭の機能性発現機構を解明するために不可欠である。 炭素化初期過程で調製したスギ木炭のTEM観察の結果、その微細構造は、アモルファス構造とポーラスシェル構造、高配向性積層構造の大きく三つの微細組織からなることが明らかになった。600℃で炭化した木炭は、アモルファス構造が主体であることから、空隙構造は直径が1nm以下のミクロ孔が中心であることが示された。炭化温度600〜700℃において、スギ木炭の微細構造は劇的に変化し、700、800℃で炭化した木炭では、アモルファス構造、三次元ネットワーク構造からなるポーラスシェル構造、および高配向性積層構造が顕著に発達していることがわかった。 以上のことから、スギ木炭の微細構造の形成機構解明するためには、木材細胞の壁層構造および主要化学成分が木炭形成過程の微細構造に及ぼす影響を調べることが重要であり、さらには機能性材料の設計には電子顕微鏡学的な分析が不可欠であることがわかった。 さらに、木炭中に形成される空隙構造を明らかにする研究の過程で、アルミナ触媒を利用することによる高純度黒鉛化成型体の製造、パルス通電加熱法による炭化ケイ素・木質炭化物複合材料の開発、急速熱分解法により調製した木質炭素化物の微細構造解析、など新たな研究領域が開拓されてきた。
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