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2001 年度 実績報告書

水産発酵食品中の乳酸生成菌に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13460090
研究機関東京水産大学

研究代表者

藤井 建夫  東京水産大学, 水産学部, 教授 (30093305)

キーワード魚醤油 / 乳酸菌 / ヒスタミン / 好塩性乳酸菌 / Tetragenococcus
研究概要

水産発酵食品では農産発酵食品に比べて微生物の役割の不明なものが多く、特に乳酸生成菌についてはほとんど知見がない。そこで本年度は次の(1)および(2)について調べた。
(1)魚醤油中乳酸菌の消長と成分変化:飛島の魚醤油の製造工程は複雑であるが、魚醤油の熟成工程の初期(11月)、中期(6月)、後期(11月)にサンプリングを行い、それらについて微生物学的分析(乳酸菌、好塩菌などの生菌数、フローラなど)および化学分析を行った。10%または20%食塩加培地での生菌数は初期の10^6/mlから中期には10^8/mlに増加した。発酵後期の魚醤油はpH5.5、食塩濃度20.7%、VBN181mg/100ml、乳酸1,620mg/100ml、グルタミン酸1,322mg/100ml、ヒスタミン163mg/100mlであった。熟成中の優勢菌群はTetragenococcus halophilusで、ほかにBacillusやMicrococcusがみられた。また初期にはヒスタミン生成能を有するT.muriaticusも検出された。
(2)魚醤油中好塩性乳酸菌によるヒスタミン生成条件:魚醤油から分離された好塩性乳酸菌Tetragenococcus muriaticusについて、ヒスタミン生成に及ぼす各種条件(食塩濃度、pH、グルコース濃度、好気嫌気条件など)の影響を調べた。本菌の増殖細胞によるヒスタミン生成は酸性(pH5.8)、嫌気条件下で高く、至適食塩濃度は5〜7%であったが、20%でも生成がみられた。またヒスタミン蓄積は増殖の定常期後期で大きかった。上記ヒスタミン生成の至適条件はcell suspensionの実験でも同様の傾向がみられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] B.Kimura: "Histamine formation by Tetragenococcus muriaticus, a halophilic lactic acid bacterium solated from fish sauce"Int. J. Food Microbiol. 70・1-2. 71-77 (2001)

  • [文献書誌] 藤井建夫: "増補 塩辛・くさや・かつお節ー水産発酵食品の製法と旨味"恒星社厚生閣. 121 (2001)

  • [文献書誌] 藤井建夫(編著): "食品の保全と微生物"幸書房. 262 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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