研究課題/領域番号 |
13460091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平田 孝 京都大学, 農学研究科, 教授 (40273495)
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研究分担者 |
新井 博文 山口大学, 医学部, 助手 (70295848)
福永 健治 関西大学, 工学部, 助教授 (30278634)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | EPA / トランス異性体 / 酸化 / リポキシゲナーゼ / 炎症 / メラノーマ |
研究概要 |
トランス型EPAの生成と機能について検討し、以下の結果を得た。 (1)トランス型EPAエチルエステル(EPA-E)混合系は水系、非水系ともにシス型に比べ酸化安定性が高かった。トランス型EPA混合系は、EPA系と比較すると15-LOXによる酸化を受けにくかった。これら一連の酸化安定性が高まる機構に関しては不明な点が多いが、トランス異性化に伴うEPAの構造変化と極性の変化がその大きな原因をしめていると考えられた。 (2)ラット腹腔内浸潤細胞で検討した結果、炎症メディエーターであるLTB_4の産生をトランス型EPAは抑制しなかった。細胞膜リン脂質の脂肪酸組成分析から、その原因はトランス型EPAが細胞膜リン脂質にとりこまれにくいためであると考えられた。LTB_4産生酵素である5-LOXに対して、トランス型EPAはEPAと比較して反応性が高かった。これらの結果から、トランス型EPAを摂取した場合、EPAとは異なる生理学的機能を示すと考えられる。 (3)通常の加熱ではEPAやDHAのトランス異性化は認められなかった。EPA-Eトランス異性化のメカニズム解明を試みた。EPA-EはAMVNではトランス化しなかったが、NO_2は常温で大変容易にトランス化を惹起し、体内でEPAのトランス異性化が起きる可能性が示唆された。また、亜硝酸塩が食品添加物として使用されていることから、食品の製造・加工の過程でトランス異性化を起こしている可能性も考えられた。 (4)シス型EPA、トランス型EPAともにマウスB16メラノーマのメラニン合成量を大幅に減少させた。
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