研究課題
<経済発展にともなう食料消費変化>アジアの主食である米の消費変化を7カ国(日本、韓国、中国、フィリピン、ベトナム、インドネシア、タイ)について比較した結果、3つにグループ化できる。(1)米消費量150Kgをピークに経済成長とともに減少局面の国(日本、韓国、タイ)。(2)年々増加しながらピーク(150Kg〜160Kg)を迎えている国(ベトナム、インドネシア)。(3)米消費量100Kgでピークを迎え、米と代替する他の穀物消費が多い国(中国、フィリピン)。このように、米だけでなく肉類等や外食の消費変化のパターンについて類型化し、その変化と要因の数量化を進めているところである。<農業部門の生産性格差>1979年から90年にかけて、ジャワの農業生産は生産資材の増加だけでなく高収量品種の普及など技術進歩に支えられて増大した。他の地域において、80年代後半の生産性上昇に技術進歩は寄与しているが、1979年以降の生産量増大は主に生産資材投入の増大による。このようにジャワでの技術進歩が他の地域に比べて顕著であったために、ジャワと他地域との農業生産性格差は拡大した。これは、主食としての米に対する政策的支援が他作物に比べて厚くなされたことが、米作地でかつ多くの人口を抱えているジャワの優位性を結果的に高めたといえる。費用効率からは、ジャワにおいてさえ技術進歩よりも肥料農薬だけでなく経済成長に伴う労賃や地代など生産資材価格上昇の影響が大きく、絶対的な平均費用の低下はみられない。<その他>上記のほかに、食料需給データベースの作成、カロリーベースの食料需給計量モデルの開発、および個別品目・地域の計量モデル分析などについても作業を進めており、その一部は研究発表に示したように成果を得ている。
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