研究分担者 |
細川 允史 酪農学園大学, 教授 (70295898)
久野 秀二 北海道大学, 農学部, 助手 (10271628)
原田 淳 宇都宮大学, 農学部, 講師 (30241847)
中島 紀一 茨城大学, 農学部, 教授 (50015848)
野見山 敏雄 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20242240)
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研究概要 |
産直産地の実態を調査し、グローバリゼイション進展下での産直の意義を検討した。新たに得られた知見は以下のとおりである。産直産地の、安全な農産物の生産、消費者組織との信頼関係を基礎とした活動は、組織、生産、販売のそれぞれのレベルであたらしい取組が開始されている。 1,組織体制の構築 組織の自己責任と第三者による認証を併用して充実させている。 内部監査の充実。組織の目的、生産原則、財務管理等組織規定の整備。経営内容、生産者誓約書等生産者の把握。農薬、硝酸体窒素、品質等産地としての自己点検体制と記録。先進的産地の多くで実施。 公開監査の実施。内部監査を踏まえて、産地、提携先、第三者が一同に会して、記録、圃場を点検。首都圏コープと提携している産地組織、長崎南部生産組合等で実施。 ISO14001の取得。ファマーズクラブ赤とんぼ(水田200ha,精米工場)。無茶々園(果樹園80ha)等 2,農法の改善 生産者個人及び組織の自己責任と第三者認証を併用。 自己責任体制。作物別栽培基準の策定と圃場の点検、安全・品質等チェック体制の整備、有機農産物の認証。米。置賜産直センター、ファマーズクラブ赤とんぼ、庄内協同ファーム等。果樹。無茶々園(みかん)。パンドラファーム(うめ、柿)。野菜。JA八郷、JA山武、長崎南部生産組合等。 3,直接販売への取組 価格破壊の圧力は生協にも及び、産地は自ら販売する組織を立ち上げている。形態は中心産地と協力産地によるネットワーク型が多い。 消費者を組織した販売組織。秋川牧園中心(株)スマイル生活。 ネット販売組織。米沢郷牧場他80産地(株)イー有機生活等。 4,環境創造型農業産直組織も参加して地域一円を環境創造型農業として編成する取組が大潟村で開始された。近代農村モデルから21世紀型モデルへの転換として注目される。 以上のような産地の自主的な動きの、モラルハザードが進む日本農業全体のなかでの位置づけ、グローバル化への対抗軸としての意義についての考察は次年度の課題である。
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