研究課題/領域番号 |
13460097
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大賀 圭治 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80302587)
|
研究分担者 |
辻井 博 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60027589)
米倉 等 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40312623)
福井 清一 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (90134197)
岩本 純明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40117479)
松本 武祝 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40202329)
|
キーワード | アグロフォレストリー / 社会林業(ソーシャルフォレストリー) / 混作 / 相互扶助 / 持続的農業 / 天水農業 / 有機農業(IPM) |
研究概要 |
本研究は拠点大学交流事業と密接な関連をもって実施された。拠点事業資金ではカバーできない長期間にわたる現地調査を実施し、主として調査補助員の旅費・滞在費に充てた。今年度も、中部ジャワの「定点観測村」で、持続的農業発展の条件を明らかにするための詳細な調査を実施した。農家経済に関する基本的データ収集と同時に、農外労働市場と多様な金融制度について集中的にデータを集めた。加えて、近年注目されている社会林業の制度と運用実態についても新たにデータ収集を行った。この結果、農村社会や農家経営にかかわる多面的な分析が可能なデータベースを構築した。今年度の主な知見は以下の通り。 農家構成員の就業先選択は通説のように「無差別」ではない。(2)農業部門における家族労働と雇用労働の質については完全に代替的ではないと見なされている。(3)農家の作付け農作物の選択基準においては、自給目的が強くでており、商品経済的観点は弱い。(4)不測の事態が生じたときの資金需要への対処は、小額の場合は親戚・友人間での扶助(低所得層が多い)や貯金の引き出しが主で、多額の場合は資産売却(低所得層が多い)、銀行融資が主となる。(5)親戚・隣人間での金銭的相互扶助に関しては、高い共同体規範への賛意とその影響がうかがえる、(6)回転講への参加目的は、低所得層は貯蓄・融資、高所得層は隣人とのコミュニケーションにある。(6)3つのタイプのグループレンディングプログラムが実施されているが、共通して返済率は高く(80〜97%)、貧困層の生活水準の向上に貢献している。(7)国有林経営では、最終生産物を国と農家・農家グループがシェアする新たな制度が導入され、農家に持続的な森林管理を動機づけるものと注目されている。 調査研究の成果を検討するため、インドネシア側研究者も交えてワークショップを実施した。また最終年度なので、報告書を作成した。
|