研究課題/領域番号 |
13460106
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 芳輔 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60038320)
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研究分担者 |
福田 哲郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (30140627)
広田 修 九州大学, 熱帯農学センター, 教授 (60038289)
森 健 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50117272)
舟越 保 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90089938)
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キーワード | 土壌水分 / 日射量 / 土壌面蒸発量 / 作物群落構造 / 蒸散量 / マルチ / ビニールハウス / 灌漑スケジューリング |
研究概要 |
平成14年度報告 プロトタイプ(実態)型の作物空間構造モデルを圃場に設置し、気温、湿度、風速、地温、長波放射量、短波放射量等の測定を行った。また作物群落内のエネルギー環境を解析するシミュレーションモデルの構築を行い、実測値との比較を行いモデルの検証を行った。その結果シミュレーションモデルでによって、作物群落および土壌面に吸収される短波、長波エネルギーを精度良く推定できることを明らかとした。作物下の土壌面におけるエネルギー環境は極めて複雑であるが、本手法の適用によって任意の空間構造を有する作物群落においても2次元的分布の推定が可能であることを示した。 また、作物群落下土壌面の蒸発現象について、3軸風速センサー等を用いて拡散係数等の観測を行った。これらの成果と上記のエネルギー空間分布を推定するモデルを組み合わせることにより、土壌面蒸発量の時系列的変化を定量的に把握できることを明らかとした。 さらに、節水灌漑、土壌中の水・熱環境制御および肥料溶脱制御の観点から、土壌面を被覆するマルチの諸効果についても検討した。その結果、マルチの適用により蒸発散量が大きく減少できることを定量的に明らかとした。とくに作物の空間構造と節水効果との関連を数値的に明らか出来た点は意義が大きい。 以上の成果の実用的利用を図るために、最適灌漑スケジューリングについて実験を行うと共に、シミュレーションによって水管理の数値実験を行った。雨除けハウスにおいて、土壌水分量を5段階に変えた灌漑を実施した結果、乾燥を好む作物、湿潤を好む作物によって根群域群域の発達に大きな違いが生じることを明らかとした。これらの作物特性をシミュレーションモデルに組み込むことによって、さらに的確なスケジューリングが可能となることを示した。
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