研究課題/領域番号 |
13460119
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
川村 修 宮崎大学, 農学部, 教授 (00041062)
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研究分担者 |
新美 光弘 宮崎大学, 農学部, 助手 (20305064)
明石 良 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20253809)
福山 喜一 宮崎大学, 農学部, 教授 (50238515)
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キーワード | 飼料イネ / カルス培養 / 懸濁培養 / 再生個体 / ソマクローナル変異 / 消化性 |
研究概要 |
本研究は、組織培養から再生する植物体によって生ずる変異(ソマクロナール変異)を利用して、高消化性「飼料イネ」を作出し、さらに、そのような形質発現がどのようなメカニズムによるものかを探索するものである。 2〜3葉期の全再生個体から無作為に53個体を抽出し、野外のワグネルポットで生育させた。再生個体と生育段階を同じくする種子由来イネ37個体を対照個体として生育させた。その結果、再生個体群は対照個体群に比べて出穂が遅い傾向にあった。再生個体群は対照個体群に比べて穂数が多く、種子全重は小さく、葉部の割合が高く、リグニン濃度が低かった。草丈、乾物収量、乾物消化率、可消化乾物量については両群の間に有意差は見られなかったが、再生個体群の中には、飼料として良好な性状を示す個体が認められた。また大半の調査項目について、再生個体群は対照個体群に比べて分布の幅が広い傾向にあり、頻度分布も異なっていた。 これらの結果から、比較的良好な飼料的性質を具備していると思われた3再生個体の自殖後代を次年度に栽培し、調査を継続した。その結果、自殖後代群は対照個体群に比べ、出穂時期の幅が広かった。自殖後代3系統のうち、1系統は茎葉の可消化乾物量が対照個体群より高かったが、種子重については対照個体群と同等もしくはそれ以下であった。また大半の調査項目について、自殖後代群は対照個体群に比べて分布の幅およびその頻度分布が異なっていた。各自殖後代群の中には、種子重が大で、かつ茎葉の可消化乾物量の多い個体がいくつか認めら、本研究の目的を達することができた。
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