研究課題/領域番号 |
13460129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 英明 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80093243)
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研究分担者 |
佐々田 比呂志 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90158931)
松本 浩道 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70241552)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 卵形成 / 卵胞閉鎖 / 血管増殖 / HAS / CD44 / 甲状腺ホルモン / VEGF / VEGF遺伝子断片 |
研究概要 |
1)ヒアルロン酸結合タンパク質およびその遺伝子の発現誘導物質の同定に取り組み、卵丘細胞・卵子複合体に発現するヒアルロン酸結合蛋白質がCD44であり、CD44が卵子・卵丘細胞複合体の細胞間質のマトリックスのネットワークを構成することを明らかにした。また、CD44の発現が性腺刺激ホルモン、卵胞液によって誘導されることを明らかにした。 2)甲状腺ホルモンにより卵胞の血管網が増殖し、排卵を増やすことが可能となったが、1回のみの排卵数の向上のみならず、継続的に投与した場合の排卵数の向上が重要であるので投与量や方法を工夫し、繰り返し排卵誘起におよぼす甲状腺ホルモンの影響を明らかにし、「生涯排卵数」の増加を可能とする方法を考案した。すなわち排卵不全で不妊のラットにおいて、複数回の性腺刺激ホルモン投与に反応すること、T4投与により排卵数が増加すること、3回繰り返し投与により多くの排卵卵子を得ることができることを明らかにした。 3)ヒアルロン酸は卵子の死滅予防と選択的形成に関与するが、卵子・卵丘細胞複合体におけるヒアルロン酸の発現にはHas2が関わること、Has2はeCG及びpFFによつて発現が上昇すること、Has3は卵子に発現すること、CD44が卵子と卵丘細胞の相互作用に関与することを明らかにした。 4)ウシ及びブタ卵胞の血管構築をコロジオンキャスト法によって調べ、卵胞への血流量の増加と血管網の関係を明らかにした。 5)ブタ卵胞の血管増殖・退行が卵胞の部位によって異なることを示し、退行の発生機序を明らかにした。 6)血管増殖因子及びその遺伝子投与により卵胞発育を促進する技術を開発した。特に卵胞発育促進・閉鎖抑制活性をもつ遺伝子構築を開発した。 7)実験の中で卵子が分泌するタンパク質GDF-9に初期卵胞発育促進効果があることを予測し、卵胞で発現するGDF-9遺伝子を構築し、その遺伝子を卵巣に投与し、実際に初期卵胞発育が促進されることを明らかにした。
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