研究課題/領域番号 |
13460132
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小野 珠乙 信州大学, 農学部, 教授 (10177264)
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研究分担者 |
鏡味 裕 信州大学, 農学部, 助教授 (80308303)
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キーワード | ニワトリ / ウズラ / ヒメウズラ / 胚発生 / 始原生殖細胞 / キメラ / PCR / in situハイブリダイゼーション |
研究概要 |
鳥類における希少種のレスキュー、希少品種の大量生産、保存を念頭におき、始原生殖細胞(PGCs)移植により、キジ目鳥類の個体復元を目指した。ニワトリおよびウズラPGCs特異的モノクローナル、anti-SSEA1およびQCR1、と磁気ビーズを用いて胚の生殖腺からPGCsを大量に採取精製する方法を開発した。遺伝的に異なった2種以上の細胞集団より形成されるキメラ動物において外来細胞と内在細胞の識別のため、種によるDNA塩基配列の違いに着目し、PCRおよびin situハイブリダイゼーションを用いた分子生物学的手法により細胞識別を試み、ニワトリ、ウズラ、ヒメウズラのDNA配列の違いをPCR、in situハイブリダイゼーションにより識別する方法を確立した。フィコール密度勾配遠心分離法に改良を加え、従来より2倍良好にドナーPGCsを精製する方法を開発した。軟X線照射によりレシピエントの生殖細胞増殖を正常動物の約1/5に減弱させる方法を開発し、ドナー由来のPGCsがレシピエント内在のPGCsと競合したレシピエント生殖腺への移動・定住の機会を増大させることができた。ニワトリ・ウズラ間のPGCs移植によるキメラを作出し、その成体となったキメラオスの精液からドナー由来のDNAが検出できた。ニワトリPGCsをウズラに導入したキメラメスにニワトリ精液を人工授精したところ、通常の黄と黒の縞模様のウズラ型羽毛ではなく、全身薄い黄色のニワトリ型ヒナが生まれた。しかし、DNA鑑定の結果ドナー由来の純粋ニワトリではなく、ニワトリとウズラの雑種であった。また、烏骨鶏PGCsを白色レグホンに導入したキメラは現在育成および後代検定試験中である。
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