研究課題/領域番号 |
13460143
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋床 泰之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40281795)
|
研究分担者 |
信濃 卓郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20235542)
田原 哲士 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50001475)
長谷川 利拡 農業環境技術研究所, 地球環境部, 主任研究官 (10228455)
|
キーワード | 強酸性耐性 / 根面微生物 / 微生物フローラの多様性 / 単生窒素固定細菌 / 根面pHの上昇 / Sphingomonas / 根面バイオフィルム / 硫酸根の還元 |
研究概要 |
Melastoma malabathricumの根面細菌として分離していたSphingomonas sp.とBurkholderia cepaciaの2株について、半ゲル培地での単独接種と共接種を比較した。B.cepaciaは1%グルコースを唯一の炭素源にした無窒素半ゲル培地で培地のpHを酸性側に下げたが、Sphingomonas sp.と共接種した場合、その培地pHはより急速に酸性側に傾いた。一方、Sphingomonas sp.単独では培地のpHは中性付近に保持された。酸性土壌耐性を示すローカルライス(Siam Unus)芽生えの茎内部からエンドファイトとして分離した2菌株のうち1菌株は、中性の半流動ゲル培地のガラス壁面にスォーミングで広がった。これに対し、両菌株を混合接種した場合はコロニーとしてゲル内にとどまった。このことから、混合培養相手によって細菌の挙動が制御されうること、また、移動と無窒素半流動ゲル培地での混合接種で窒素固定を行う微生物コンソーシアムとして、酸性土壌を好むシンジュガヤ(Scleria sumatrensis,イネ科)茎内に内生するSphingomonas sp.とHerbaspirillum sp.との組み合わせに類似する組み合わせとして、Xyris complanataの根面から分離したSphingomonas sp.とBurkholderia cepaciaについても、混合接種でそのコロニー生育が異様に加速されることを示した。南カリマンタンとタイ南部半島域で採取した硫酸酸性耐性植物の根面からは、ほとんど例外なくSphingomonas属細菌が分離されたため、16S rDNA領域を用いたSphingomonas属のほとんどの種と、Rhizobium属、Caulobacter属、Herbaspirillum属など、代表的な土壌および根面α-プロテオバクテリアを区別するためのDNAマイクロアレイを設計した。南カリマンタンの酸性水田の土壌やイネ根面の細菌フロラの遷移解析から、現地イネ根面のSphingomonas属細菌の多くは、土壌由来ではなく種子伝播性であることを明らかにした。窒素源に乏しく、強度に溶脱を受けた酸性硫酸塩土壌や中強酸性泥炭土壌は、Sphingomonas属細菌を保持していなかった。
|