研究課題/領域番号 |
13460145
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
竹内 俊郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (70092591)
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研究分担者 |
吉崎 悟朗 東京水産大学, 水産学部, 助手 (70281003)
佐藤 秀一 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80154053)
北宅 善昭 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (60169886)
大森 克徳 航空宇宙研究所, 革新宇宙プロジェクト推進センター, 研究員
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キーワード | 閉鎖生態系 / 循環 / クロレラ / 飼育 / バイオマス / ティラピア / スピルリナ / タマミジンコ |
研究概要 |
本研究は現在発展が期待されている閉鎖循環式生態系に注目し、特に、食物連鎖についても閉鎖循環させながら、水棲生物の継代繁殖を可能にすることを目的とした研究を企画した。すなわち、藻類-動物プランクトン-魚-生物濾過部分を連結し、実際に長期飼育を行うとともに、より小型の装置開発に際しての問題点等を明らかにしようとするものである。1.タマミジンコMoina macrocopaを安定にて飼育するためのクロレラ給餌密度およびクロレラータマミジンコ間のバイオマス変換を調べたところ、バイオマス変換効率は給餌増加率に関係なく、一定であることを明らかにした。このことは、クロレラータマミジンコ間のバイオマス変換を行う際に変換効率の損失なしで、その速度が制御できることを意味している。2.循環式動物プランクトン飼育装置を製作し、タマミジンコの高密度飼育が可能であるのか、長期間の無換水飼育が可能かについて検証した。その結果、止水培養と遜色のない高密度飼育が可能であることを検証した。しかし、限外濾過モジュールの目詰まりのため、連続運転は120時間が限度であり、長期無換水飼育は不可能であることが判明した。そのため、今後は汚水分離ユニットに改良を加える予定である。3.地上ではありえない光周期(3L:3D;6L:6D;24L:24D)を用いて、9gおよび100gのティラピアを飼育し、給餌および無給餌時の酸素消費量および両者間の酸素消費量の差から求めた代謝量やエネルギー損失を測定した。その結果、給餌時および無給餌時いずれにもかかわらず、酸素消費量は明暗周期によるサーカディアンリズムがみられるとともに、給餌と無給餌の平均酸素消費量から算出したエネルギー損失は明期と暗期のサイクルが短くなるほど増加する傾向が見られた。なお、酸素消費量は100gサイズの魚のほうが低下した。その他、藻類(スピルリナ)単用給餌によるティラピアの飼育を行い、魚の品質が優れていることも明らかにした。
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