研究概要 |
衛星データを用いた環境・資源情報の把握のため,各種の衛星データについて検討をおこなった。広範囲の地域を長期間にわたりモニタリングするのに適したNOAA衛星のAVHRRデータから月最大NDVI値を用い,土地利用や植生区分をおこなう手法について検討した。データベースが未整備な国々でもこの方法で容易に土地利用区分などができる。タイや中国など対象に適用し、その有用性について検討した。複数年間のデータを用いて分類をおこなう場合、NDVI値が年降水量や平均気温など気候の年変動に大きく左右されるため、土地利用が変化していない地点でも、年により分類クラスに差異が生じる。その対処策として、データの月別の標準化を行い、それらを用いた分類方法や各分類クラスへの帰属度を考慮した分類方法について検討した。その結果、生のデータを用いた分類に比べ、年変動の影響をある程度除去することができた。また、イコノスの高解像度衛星データおよび航空機ライダーによる標高データを用いた土地利用区分について引き続き検討した。比計算によるイコノス衛星データの影の処理方法がある程度有用であること,ライダーデータから求まる植生などの表面高の平均、標準偏差、最大値、最小値等の基本統計量とイコノスデータの植生指数やバンド情報を併用する分類手法が有効であることがわかった。一方,グランドトゥルースの位置合わせなどのため、GPSに測位方法による精度や正確度の比較、野外調査における位置情報取得のための支援システムに関して検討した。単独測位でもナビゲーションには充分であること,高解像度の衛星に対応するためにはDGPSが必要であることなどがわかった。
|