研究概要 |
Pin1欠損マウス由来の細胞のDNAにダメージを与えでも、細胞の増殖が、Pin1がある健常マウス由来の細胞に比べて抑制されないこと、また細胞死が誘導されにくくなることを見出した。Pin1はリン酸化P53(S33,T81,S315)と結合して、その構造をイソメラーゼ活性によって変化させ機能を変化させた。Pin1は、1)P53によるMDM2やp21の発現上昇に必要であり、Pin1欠損細胞では細胞周期が停止しなくなった(Nature(2002)419,853-857)、2)Pin1欠損細胞ではP53によるBaxやKiller/DR5などの分子の発現上昇がおこらなくなり、apoptosisを順調に誘導できなくなった(Nature(2002)419,849-853)。この他、Pin1特異的な阻害剤を発見し(Chemistry and Biology(2003)10,15-24.)、これを用いて,現在、Pin1の機能を解析している。
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