研究課題/領域番号 |
13470006
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
千田 隆夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10187875)
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研究分担者 |
長谷川 義美 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (40288494)
肥田 岳彦 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (20097736)
仁木 一郎 大分医科大学, 教授 (10262908)
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キーワード | インスリン顆粒 / カルシウムイオン / カルモジュリン / CaMマウス / アポトーシス / B細胞 / トルブタミド / 神経型NO合成酵素 |
研究概要 |
インスリン顆粒の細胞内ダイナミクスにカルシウムイオンが深く関与している。カルモジュリンは各種細胞に広汎に分布する、主要な細胞内カルシウム結合タンパク質である。膵B細胞特異的カルモジュリン過剰発現マウス(CaMマウス)は、ニワトリ・カルモジュリンcDNAをラットインスリンIIプロモーターの下流につないだトランスジーン導入により、カルモジュリンを膵B細胞特異的に過剰発現させたものである。 (1)CaMマウスは、低インスリン血症を伴う高血糖を呈した。 (2)非トランスジェニックマウス(非CaMマウス)の膵ランゲルハンス島の大きさは週齢とともに増加した。CaMマウスでは、1週齢と3週齢の膵島の大きさに有意差はなく、5週齢でやや増加した。免疫組織化学法で調べると、3週齢と5週齢のCaMマウスの膵島では、B細胞が激減していた。 (3)電子顕微鏡で観察すると、1週齢と3週齢のCaMマウスの膵島に、アポトーシスを示すB細胞が見られた。よって、CaMマウスの低インスリン血症は・アポトーシスによるB細胞の選択的破壊が原因であろう。 (4)カルシウム流入によりインスリン分泌を引き起こすスルホニル尿素剤(トルブタミド)を腹腔内投与することによって、CaMマウスのB細胞のアポトーシスはさらに強く誘発された。したがって、このアポトーシスは過剰発現させたカルモジュリンを介するものである可能性が高い。 (5)NO合成酵素阻害剤であるL-NAMEを腹腔内投与すると、CaMマウスの高血糖は部分的に阻止された。L-NAMEに反応したCaMマウスの膵島では、インスリン陽性細胞が比較的保存されていた。 (7)免疫組織化学法を行うと、非CaMマウスとCaMマウスの膵島B細胞に、神経型NO合成酵素が発現していた。
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