研究課題/領域番号 |
13470013
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
武田 英二 徳島大学, 医学部, 教授 (00144973)
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研究分担者 |
奥村 仙示 徳島大学, 医学部, 教務員 (30322259)
竹谷 豊 徳島大学, 医学部, 助手 (30263825)
森田 恭子 徳島大学, 医学部, 助手 (40244777)
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キーワード | リントランスポーター / カルシトニン / エンドサイトーシス / Rab5 / クロライドチャネル / ビタミンD |
研究概要 |
1、腎におけるナトリウム依存性リントランスポーター(NPT)発現調節を介したカルシトニン(CT)による血中リン濃度調節機構を解明し、以下の成果を得た。 (1)CTをラットに経静脈投与すると、血中カルシウムおよびリン濃度ともに低下した。 (2)刷子縁膜の2型NPT(NPT2)発現量の低下がウエスタンブロットおよび免疫組織学的方法で確認されたが、mRNAレベルは変化しなかった。 (3)1型NPTは蛋白量およびmRNAレベルともに変動は見られなかった。 (4)CTはNPT2のエンドサイトーシスを促進させて血中リン濃度を低下させる。 (5)NPT2と相互作用する分子としてRab4およびRab5を検出した。 (6)CTによりRab5はエンドサイトーシスされたが、Rab4は刷子縁膜に残存した。 (7)CTはクロライドチャネル5の発現に関与している。 (8)クロライドチャネル阻害剤はCTによるNPT2のエンドサイトーシスを抑制した。 (9)以上より、CTによりNPT2はRab5とともに小胞輸送によってエンドサイトーシスされると、エンドゾームと融合し分解される。CTがエンドゾーム内のクロライドイオン流入や酸性化を図ることが、NPT2のエンドサイトーシスの引き金になる。 2、活性型ビタミンDによるマウスNPT2遺伝子発現制御機構の解析 (1)活性型ビタミンDによるNPT2遺伝子転写活性促進は腸管特異的である。 (2)NPT2遺伝子の5'上流約1.5kb領域に新規エクソン1およびプロモーターを発見した。 (3)ビタミンD受容体欠損マウスではNPT2発現が低下していた。 (4)以上より、NPT2遺伝子は多重エクソン/プロモーターにより発現制御され、活性型ビタミンDによる制御は細胞特異的因子が必須である。
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