研究課題/領域番号 |
13470013
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
武田 英二 徳島大学, 医学部, 教授 (00144973)
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研究分担者 |
奥村 仙示 徳島大学, 医学部, 教務員 (30322259)
竹谷 豊 徳島大学, 医学部, 助手 (30263825)
森田 恭子 徳島大学, 医学部, 助手 (40244777)
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キーワード | リントランスポーター / スタニオカルシン2 / エンドサイトーシス / プロモーター / ビタミンD / カベオラ |
研究概要 |
1)ヒトスタニオカルシン2(hSTC2)の機能解析 hSTC2トランスジェニックマウス(Tgm)では、体重および体重増加率が有意に低下した。吸収率に有意差はなく、総摂取エネルギーはhSTC2 Tgmで増加した。Tgmでは、白色脂肪組織の減少および肩甲骨間褐色脂肪組織の肥大、脂肪滴の縮小および数の減少が観察された。また、hSTC2 Tgmは酸素消費量が増加し、高脂肪食を負荷しても体重増加が認められなかった。STC2は褐色脂肪細胞の分化・増殖および機能を制御し、エネルギー代謝を調節する可能性が示唆された。 2)マウスIIa型ナトリウム依存性リン輸送担体(NaPi-7)遺伝子の機能解析 NaPi-7遺伝子の1.25(OH)2Dによるプロモーター活性の誘導には細胞特異的な因子が必要である。NaPi-7遺伝子転写開始点上流約1.6〜1.4kbに新規のエクソン1a領域が同定された。このエクソン1aを有する転写産物の発現は1.25(OH)2Dにより有意に上昇し、転写開始点上流200bがビタミンD応答に重要であることが見いだされ、転写開始点上流200-150bの領域にVDR-RXRの2量体が結合するが、典型的なVDRE配列は認められなかった。以上より、1.25(OH)2Dにより調節されるNaPi-7遺伝子の発現には、VDRだけではなく細胞特異的因子が重要であることが示唆された。 3)IIa型ナトリウム依存性リン輸送担体(NPT2)の細胞膜上局在とPTHによるエンドサイトーシス機構 共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、NPT2は主として形質膜上のカベオリンと同様にカベオラ画分に確認された。カベオラはコレステロールおよびスフィンコ脂質に富む膜ドメインであり、様々な物質の輸送およびシグナル伝達等に関わるとされている。OK-NPT2細胞に100nMのPTHを作用させたところ、NPT2発現量は有意に低下したが、カベオリンの発現量に変化はみられなかった。このことから、通常はカベオラに局在しているNPT2はPTHが作用するとクラスリンコーテッドピットあるいは他のドメインへ移行しエンドサイトーシスされることが明らかになった。
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