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2003 年度 実績報告書

腸内細菌による視床下部-下垂体-副腎軸(HPA axis)可塑性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 13470014
研究機関九州大学

研究代表者

久保 千春  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80117100)

研究分担者 古賀 泰裕  東海大学, 医学部, 教授 (60170221)
須藤 信行  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60304812)
キーワード腸内細菌 / ストレス反応 / 視床下部-下垂体-副腎軸 / 無菌マウス
研究概要

腸内細菌の宿主への定着は様々な生理機能に関与しているが、本研究では、腸内細菌がストレスに対する視床下部-下垂体-副腎軸(HPA axis)の反応性へどのように関与しているかについて無菌(germ free : GF)マウスおよび様々な単一細菌で構成された人工菌叢マウスを用いて検討している。平成15年度の研究成果を以下にまとめる。
(1)人工菌叢マウスを用いて、拘束ストレスに対するHPA axisの反応性をGF, SPFマウスと比較、討した。なお実験には単一細菌の状態で3代維持したものを用いた。その結果、Bacteroides vulagatus単一細菌マウスではGFマウスの反応性と同一であったが、Bifidobacterium infantis単一細菌マウスでは、GFマウスで認められたストレスに対する過大反応が有意に減じていた。一方、病原性大腸菌単一細菌マウス(EPEC)のストレス感受性は、GFマウスよりも亢進していた。
(2)脳内の各部位における神経成長因子の濃度についてGFとSPFマウスで比較・検討したところ、GFマウスではSPFマウスと比較し、frontal cortex, hippocampus領域でのbrain-derived neurotrophic factor濃度が有意に低下していた。一方、nerve-growth factor, NT-3濃度に関しては、両マウス間で有意な濃度差は認めなかった。frontal cortex, hippocampusはHPA axisの機能制御に深く関わっているばかりでなく出生後に発達する代表的な部位であることより、GFマウスでは生後の中枢神経発達が十分ではない可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hirayama, K., Sudo, N., Kubo, C., et al.: "Endogenous glucocorticoids inhibit scratching behavior induced by the administration of compound 48/80 in mice"European Journal of Pharmacology. 481巻. 59-65 (2003)

  • [文献書誌] Chida, Y., Sudo, N., Sonoda, J., Sogawa, H.t Kubo, C.: "Electric foot shock stress-induced exacerbation of alpha-galactosylceramide-triggered apoptosis in the mouse liver."Hepatology. (in press). (2004)

  • [文献書誌] Nagano J., Nagase, S., Sudo, N., Kubo, C.: "Psychosocial stress, personality, and the severity of chronic hepatitis C."Psychosomatics. (in press). (2004)

  • [文献書誌] 須藤 信行: "腸内細菌によるストレス反応の制御"食品工業. 46巻・14号. 32-36 (2003)

  • [文献書誌] 須藤 信行: "Th/1Th2応答における環境要因の影響"アレルギー科. 16巻・6号. 578-583 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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