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2002 年度 実績報告書

睡眠―覚醒リズムの分子基盤解明と新規睡眠薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13470016
研究機関早稲田大学

研究代表者

柴田 重信  早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10162629)

研究分担者 秋山 正志  日本学術振興会, 特別研究員(PD)
守屋 孝洋  日本学術振興会, 特別研究員(PD)
キーワードサーカディアンリズム / 体内時計 / オレキシン / 睡眠 / 摂食行動
研究概要

1.オレキシン受容体の突然変異は犬やマウスの覚醒維持障害すなわちナルコレプシー症状を引き起こすことから、オレキシンがREM睡眠に関わっていることが明らかとなってきた。実際オレキシンの脳内投与は覚醒と摂食行動を引き起こす事が知られている。そこで外側視床下部に発現するオレキシン遺伝子発現としてのプレプロオレキシンmRNA量がサーカディアンリズムを示すか否かを、またオレキシン蛋白レベルでリズム性が見られるか否か、調べた。その結果、プレプロオレキシンのmRNA発現にサーカディアンリズムはみられなかった。次に、オレキシン受容体mRNAの発現部位の同定したところ、オレキシン2受容体は視床下部の腹内側核、室傍核、さらに視床内側核に強く発現していることがわかった。しかしながらこれらの遺伝子発現はサーカディアンリズム変動を示さなかった。また、オレキシン蛋白の外側視床下部の発現変動を調べた結果、これもサーカディアン変動を示さなかった。以上の結果、オレキシン神経系は動物が正常状態で睡眠・覚醒や摂食行動を示すことに必須でないことが明らかとなった。2.次にオレキシン神経の活動性を調べた。神経活動依存的にFos蛋白が発現する事が知られているので、オレキシン含有細胞にFos蛋白も共発現するか否かについて調べたところ、共発現する細胞にサーカディアンリズムが見られ、夜間にはこのような細胞数が増大した。以上、オレキシン含有細胞の活動性が、睡眠・覚醒や摂食行動のサーカディアンリズム発現に関与していることが示唆された。3.昼間に餌を提示する給餌制限を施すと、動物の活動、摂食行動リズムは昼型に変化する。このとき、共発現する細胞数のピークも夜型から昼型に変わった。以上、オレキシン神経の活動性にはサーカディアンリズムがあり、これは給餌性リズム形成に深くかかわっていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Nishi M, Hashimoto K, Kano M, Shibata S, Takeshima H: "Motor discoordination in mutant mice lacking junctophilin type 3"Biochem Biophys Res Commun.. Mar29;292(2). 318-324 (2002)

  • [文献書誌] Takahashi S, Yoshinobu Y, Aida R, Moriya T, Shibata S: "Extended action of MKC-242, a selective 5-HT(1A) receptor agonist, on light-induced Per gene expression in the SCN in mice"J Neurosci Res.. May 15;68(4). 470-478 (2002)

  • [文献書誌] Iijima M, Nikaido T, Akiyama M, Moriya T, Shibata S: "Methamphetamine-induced, SCN-independent circadian rhythms of activity and mPer gene expression in the striatum of the mouse"Eur J Neurosci.. Sep:16(5). 921-929 (2002)

  • [文献書誌] Fukunaga K, Horikawa K, Shibata S, Takeuchi Y, Miyamoto E: "CaMK II-dependent long-term potentiation in the rat suprachiasmatic nucleus and its inhibition by melatonin"J Neurosci Res.. DEC 15;70(6). 799-807 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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