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2002 年度 実績報告書

平滑筋臓器kit機能の細胞生物学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 13470020
研究機関熊本大学

研究代表者

西 勝英  熊本大学, 医学部, 教授 (00040220)

研究分担者 徳冨 芳子  熊本大学, 医学部, 助手 (90253723)
徳冨 直史  熊本大学, 医学部, 助教授 (30227582)
キーワード平滑筋 / c-Kit / 自動運動能 / ペースメーカー細胞 / マウス / 細胞内カルシウム / パッチクランプ法
研究概要

自動運動能を有する平滑筋臓器におけるKitシグナルの役割を解明するために,c-Kit(レセプター型チロシンキナーゼ)発現ペースメーカー細胞の分布と機能について免疫組織化学的,電顕的に検討した.抗c-Kit中和抗体(ACK2)を出生直後から8日目まで腹腔内投与したBALB/cマウスを用いて調べた結果,消化管組織内でネットワークを形成するc-Kit発現細胞(Cajal間質細胞)は,ペースメーカーとしての役割だけでなく,腸管神経系から平滑筋へのシグナル伝達の調節も行っていることが示唆された.また,c-Kit発現細胞と消化管平滑筋細胞は同じc-Kit陽性の前駆細胞から発達しており,どちらの細胞に分化するかはKitシグナル伝達に依存していた.
さらに,消化管平滑筋収縮機能の発達と細胞内Ca^<2+>シグナル系に対するc-Kitの役割について電気生理学的,薬理学的に検討した.パッチクランプ法により,膜電位固定下のc-Kit発現細胞において律動性のCa^<2+>依存性Cl^-電流が観察された.平滑筋細胞において,自発振動性及びcaffeine惹起のCa^<2+>依存性K^+電流が観察された.ACK2処置によりc-Kit発現細胞の欠落と自動運動障害をおこしている消化管では,bradykinin, acetylcboline, prostagland in F_<2α>を含む薬物に対する収縮応答が異常に増大した.この異常な収縮応答は,律動性収縮の障害を伴っており,低温(25℃)の標本槽溶液で潅流したときの効果に類似していた.、これらの結果から,c-Kit発現細胞からの律動性の電気的入力にtriggerされて平滑筋細胞の興奮性放電が律動的におこり,さらにその律動的な放電によって薬物に誘導される収縮の強さが調節されていると示唆される.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Tokutomi, Y., et al.: "The properties of ryanodine-sensitive Ca^<2+> release in mouse gastric smooth muscle cells"Br. J. Pharmacol.. 133. 125-137 (2001)

  • [文献書誌] Tokutomi, Y., et al.: "消化管自律運動の遺伝子基盤と病態"日本薬理学雑誌. 119・4. 227-234 (2002)

  • [文献書誌] Okuda, T. et al.: "Noradrenaline receptor-mediated potentiation of caffeine-induced Ca^<2+>-activated K^+ currents in bovine ciliary muscle cells"Current Eye Research. 23・6. 455-462 (2002)

  • [文献書誌] Lai Z-F., et al.: "Protective effect of sasanquasaponin against experimental myocardial ischemia in mouse in vivo and its possible mechanisms"J Mol. Cell. Cardiol. 34・10. A24 (2002)

  • [文献書誌] Lai Z-F: "The relation between change in intracellular chloride concentration and ischemia reperfusion -induced arrhythmias in myocardial cells"Acta. Acad. Med. Sin.. 24・2. 190-196 (2002)

  • [文献書誌] Lai Z-F., et al.: "Sasanquasaponin protects against myocardial ischermia and reperfusion induced-injury in mouse heart by modulation of intracellular Cl^-homeostasis"J. Pharmcol. Sci.. 91(suppl 1). 89 (2003)

  • [文献書誌] 頼 仲方: "サザンカポニンのマウス心筋虚血再灌流モデルでの保護作用と可能なメカニズム"日本薬理学雑誌. 121・3. 72 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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