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2002 年度 実績報告書

糖鎖変異マウスを用いたスフィンゴ糖脂質の生体内機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13470021
研究機関名古屋大学

研究代表者

古川 鋼一  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80211530)

研究分担者 浦野 健  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70293701)
古川 圭子  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50260732)
キーワードノックアウト / ガングリオシド / サブトラクション / ニューロン / 小脳 / 脊髄
研究概要

GM2/GD2合成酵素遺伝子KO(ノックアウト)マウスにおける神経変性のメカニズムの解明として、(1)脊髄における遺伝子発現プロフィールの変化、(2)小脳におけるガンダリオシド発現と形態の変化、(3)脊髄後根神経節ニューロンの初代培養細胞の検討、などを行った。脊髄の遺伝子発現プロフィールに関しては、野生型マウス由来RNAよって、KOマウス由来のRNAをサブトラクトした後のcDNAをクローン化し、ドットブロットハイブリダイゼーションによって、KOマウスで発現低下する遺伝子、上昇する遺伝子を同定した。同時に、マウスcDNAチップを用いて、発現レベルの変化が変動する遺伝子を検討したところ、種々のサイトカイン遺伝子およびその制御下にある遺伝子のup-regulationが明らかになった。よって、KOマウスにおける、恐らくグリアの反応性増殖に基づくサイトカインの合成・分泌の促進が示唆された。小脳においては、生後1年以上経過すると小脳の萎縮が明らかになると共に、ブルキンエ細胞の破壊、脱落が顕著に認められた。ガングリオシド分画の検討では、GM3、GD3の蓄積以外に、新たな未知の成分の増強がTLC上で認められ、ガングリオシド欠損の補正としてup-regulationがかかっていることが示唆された。初代培養系として、後根神経節のニューロン培養が可能となり、その細胞数、突起伸長、生存日数、NGF依存性などにつき比較検討しているが、現在のところ明らかな差は認められていない。
GM2/GD2合成酵素とGD3合成酵素のダブルKOマウスに関しては、高率に発現する難治性皮膚損傷と神経変性との関わりを解析した。ホットプレートテストとvon Freyテストで知覚異常を比較検討したところ、ダブルKOでは機械刺激に対して鈍感になっていたが、熱刺激には却って高い感受性を示し、その間に解離が見られた。現在、痛覚受容器の機能変異、免疫学的メカニズムの介在の有無につき検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Okada, M. ea al.: "b-series ganglioside deficiency exhibits no definite changes in the neurogenesis and the sensitivity to Fas-mediated apotosis, but impairs regeneration of the lesioned hypoglossal nerve"J. Biol. Chem.. 277. 1633-1636 (2002)

  • [文献書誌] Furukawa, K. et al.: "Expression of the Gb3/CD77 synthase gene in megakaryoblastic leukemia cells : implication in the sensitivity to verotoxins"J. Biol. Chem.. 277. 11247-11254 (2002)

  • [文献書誌] Inoue, M. et al.: "Refractory skin injury in the complex knock-out mice expressing only GM3 ganglioside"J. Biol. Chem.. 277. 29881-29888 (2002)

  • [文献書誌] Bullens, R.W.M.: "Complex gangliosides at the neuromuscular junction are essential receptors for autoantibodies and botulinum neurotoxin but redundant for normal synaptic function"J. Neuroscience. 22. 6876-6884 (2002)

  • [文献書誌] Nakamura, Y. et al.: "Identification of a Drosophila gene encoding xylosylprotein b4-glactosyltransferase that is essential for the synthesis of glycosaminoglycans and for morphogenesis"J. Biol. Chem.. 277. 46280-46288 (2002)

  • [文献書誌] Mutoh, T. et al.: "Stable transfection of GM1 synthase gene into GM1-deficient NG108-15 cell, CR-72 cells, rescues the responsiveness of Trk-neurotrophin receptor to its ligand, NGF"Neurochem. Res.. 27. 801-806 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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