研究概要 |
計画調書に記述した実験計画に従い、平成13年度は以下の研究を遂行した。 1.3型リアノジン受容体の機能解析(Mol. Cell. Neurosci.17,921,2001;J. Biol. Chem. in press2001) 我々の以前の実験で、3型リアノジン受容体欠損マウスは数種の記憶学習テストで能力の低下が観察されている。中枢系の機能レベルにおけるその機構を解析するため、海馬領域の長期増強(LTP)に着目して解析を行った。変異マウスではAMPA型グルタミン酸受容体の活性の低下に起因するLTPの減弱が明らかになり、個体レベルでの記憶学習の能力低下の原因となるものと推定された。一方、3型リアノジン受容体は骨格筋にも低レベル発現している。蛍光Ca2_+測定実験にて、新生児の骨格筋細胞では3型リアノジン受容体は生理的Ca2_+シグナル増幅機構に寄与することも明らかにした。 2.1型ジャンクトフィリンの機能解析(Mol. Cell 154,1059,2001) リアノジン受容体の生理的活性には、ジャンクトフィリンによる結合膜構造が必須であると考えられる。骨格筋に発現する1型ジャンクトフィリンの欠損マウスは授乳が出来ずに、生後すぐに死亡する。これは結合膜構造である三つ組の形成阻害、それに伴うリアノジン受容体の活性不良に起因することが示された。
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