シスチントランスポーターx_c系の活性発現とその調節機構を明らかにするため、研究を行い、以下の成果を得た。 1.シスチントランスポーターの主成分であるxCTタンパク質のcRNAを用いたin situ hybridization法により、脳における局在性を調べた。その結果、xCTは髄膜に強く発現し、また、最後野など、一部の脳室周囲器官にも顕著な発現がみられた。このことから、このトランスポーターは脳脊髄液におけるシスチン・システイン比、すなわち、レドックス・バランスを調節している可能性が考えられた。 2.xCT遺伝子の5上流部のプロモーター解析を行い、シスチントランスポーターの親電子薬およびシスチン欠乏による活性誘導のメカニズムを解析した。親電子薬による誘導にはAREといわれるエレメントと転写因子Nrf2が関与し、シスチン欠乏による誘導にはそのAREと近接しているが、別のエレメントが関与していることが示唆された。 3.xCT遺伝子をノックアウトしたマウスを作り出す目的でターゲッティングベクターを作成した。
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