シスチントランスポーターx_c^-系の活性発現と個体における機能を明らかにするため研究を行い、以下の成果を得た。 1.X_c^-系の二つのタンパク質のうち、活性を実質的に制御しているxCTの遺伝子5'上流部のプロモーター解析を行い、シスチン欠乏による活性誘導にはアミノ酸応答エレメントとして知られている9個のヌクレオチド配列が関与していることが示された。 2.xCT遺伝子5'上流部にレポーター遺伝子を接続したコンストラクトについて、ヒト由来線維芽細胞を用いることにより酸素濃度に応答する発現誘導を示すことができた。今後は5'上流のどの部位が酸素応答に重要か解析する。 3.シスプラチン耐性を示すヒト卵巣癌細胞を用い、X_C^-系が細胞のグルタチオンを増やすことによりシスプラチン耐性に寄与していることを示した。 4.xCT遺伝子をノックアウトしたマウスを作り出す実験では、キメラマウスを経て、このxCT遺伝子を欠くヘテロ体と考えられるマウスの作成に成功した。
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