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2001 年度 実績報告書

分化抑制因子からみた発生分化統御システムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13470034
研究機関福井医科大学

研究代表者

横田 義史  福井医科大学, 医学部, 教授 (50222386)

キーワード分化抑制因子 / Id2 / bHLH因子 / 多動 / NK細胞 / 乳腺上皮細胞 / 細胞分化 / 増殖制御
研究概要

分化抑制因子IdはbHLH型転写因子の機能阻害因子であり、分化の阻害と増殖促進作用も合わせ持つが、生体における機能については不明な点が多い。申請者らは分化抑制因子の一つであるId2を欠損するマウスを作成し、その病態解析を行ってきた。このマウスはナチュラル・キラー(NK)細胞の分化障害、乳汁分泌不全、多動を中心とした行動異常など極めて多彩な病態を示す。本研究の目的は、これらの病態が生じる分子基盤を解明し、細胞増殖と分化の調節機構の中でId2が果たす役割を統合的に理解することにある。
神経系
1)in situ hybridizationを用いて線条体におけるサブスタンスP、エンケファリン、およびドーパミン受容体のD1、D2の発現を検討したところ、発現レベル、発現細胞数に著明な変化は見られなかった。
3)Id2欠損マウスにおいて黒質および黒質からドーパミン作動性神経の投射を豊富に受ける線条体を構成する神経細胞の種類に異常がないかを免疫染色法などを用いて解析する。
5)その他の成果として、培養系で誘導される小脳顆粒細胞のアポトーシスの過程にId2が係わっていること、また、神経芽細胞腫の予後とId2蛋白質の発現レベルが逆相関することを見出した。
NK細胞
1)Th2反応優位の原因の主たる要因としてCD8_α陽性樹状細胞の減少を見出した。
2)Nk細胞の分化に係わるId2の領域解析は技術的な問題のために進展しなかった。
乳腺上皮細胞
1)転写因子であるC/EBPβの欠損マウスはId2欠損マウスと同様の乳汁分泌不全を呈するが、Id2のプロモーター解析からC/EBPβがId2の上流遺伝子であることを明らかにし、現在詳細を解析している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] FUjii, Y.: "Taxon-specific ζ-crystallin in Japanese tree frog (Hyla japonica) lens"J.Biolo.Chem.. 276(30). 28134-28139 (2001)

  • [文献書誌] Tachibana, A.: "Genomic organization and chromosomal mapping of the basic helix-loop-helix factor OUT(Tcf23/TCF23)"Cytogenet. Cell Genet.. 94(1-2). 23-25 (2001)

  • [文献書誌] Greichmann, M.: "Identification of inhibitor-of-differentiation 2 as a modulator of neuronal apoptosis"J. Neurochem.. 80. 755-762 (2002)

  • [文献書誌] Lasorella, A.: "Id2 is critical for cellular proliferation and is the oncogenic effector of N-myc in human neuroblastoma"Cancer Research. 62(1). 301-306 (2002)

  • [文献書誌] Yokota, Y.: "In vivo function of a differentiation inhibitor, Id2"IUBMB Life. 51(4). 207-214 (2001)

  • [文献書誌] Yokota, Y.: "Id and development"Oncogene. 20(58). 8290-8298 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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