研究課題/領域番号 |
13470044
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
赤木 忠厚 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20136386)
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研究分担者 |
近藤 英作 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30252951)
岡 剛史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50160651)
吉野 正 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70183704)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 悪性リンパ腫 / MALTリンパ腫 / 多段階発癌 / ヘリコバクター・ピロリ菌 / API2 / MALT1 / HSP60 / 接着分子 / t(11;18) |
研究概要 |
1.消化管の低悪性度MALTリンパ腫及び高悪性度MALTリンパ腫の低悪性度部は、α4β7インテグリン、L-セレクチンが陽性であるが、高悪性度MALTリンパ腫の高悪性度部、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫はいずれも陰性であり、高悪性度化に伴ってα4β7インテグリン発現が失われることを明らかにした。眼附属器のほとんどの症例がL-セレクチンのみ陽性、甲状腺ではいずれも陰性であった。α4β7インテグリンのリガンド、MAdCAM-1は、消化管と甲状腺の炎症、MALTリンパ腫のHEVで発現していたが、眼附属器、唾液腺では陰性であった。 2.MALTリンパ腫におけるt(11;18)(API2/MALT1)転座のFISH及びRT-PCRによる検索を行い、眼附属器、大腸のMALTリンパ腫では陽性頻度は低いながらもAPI2/MALT1が認められるが、従来の報告と異なりびまん性大細胞細胞型B細胞リンパ腫でも少数例陽性のものがみられた。唾液腺や甲状腺のMALTリンパ腫のように自己免疫が発症に関係していると思われるものでは、陽性例はみられなかった。 3.H.pylori除菌の胃MALTリンパ腫に対する効果をみたところ、88%で完全寛解が得られたが、PI2/MALT1陽性例は全て除菌が無効であった。 4.眼附属器のMALTリンパ腫を含む悪性リンパ腫、反応性リンパ増殖性疾患、境界病変の臨床的、組織学的、並びに免疫遺伝学的特性を明らかにした。 5.多臓器に病変があるMALTリンパ腫の特性を明らかにした。 6.MALTリンパ腫患者末梢血単核球は、サイトカイン単独あるいはHSP60との共刺激に対し、CD40リガンド発現、IL-4産生の増大を示し、HSP60に対する免疫反応のMALTリンパ腫病因への関与を示唆した。
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