研究概要 |
1.グルココルチコイド(GC)刺激による胸腺細胞のアポトーシスの分子機序に係わるTDAG8遺伝子を強制発現させたトランスジェニックマウス(TG)を作成した。 2.GC刺激により胸腺細胞のアポトーシスは、TGマウスの対照群に比して著名に増加し、その主体はCD4^+CD8^+胸腺細胞であった。アポトーシスは、胸腺皮質で著明であった。 3.TGと対照群において、これまでアポトーシスに関与することが知られている遺伝子の発現をRNAse Protection Assay法にて検討した。その結果、FasL,FADD,TRAIL,TNF-Rp55,TRADDの遺伝子発現に差は認められなかった。従って、従来のアポトーシスとは、異なる機序でTDAG8は、アポトーシスに関与していることが示唆された。 4.TGでは対照群に比して、アポトーシス時に、発現変化する遺伝子をDNAマイクロアレイ法にて検討した。c-MybとDok-2の発現が著名に減少していた。TGではc-Mybが減少することにより、bc1-2の発現が減少し、GCによるアポトーシスが亢進すると考えられた。 5.TGでは対照群に比し、カスペース3,8,及び4の活性が亢進していた。
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