研究課題/領域番号 |
13470079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中村 裕之 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (30231476)
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研究分担者 |
神林 康弘 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (20345630)
信國 好俊 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (80295641)
荻野 景規 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (70204104)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | マイクロ波 / 胎児 / 子宮胎盤循環 / CRH / 視床下部 / indomethacin / オピオイド系 / 妊娠 |
研究概要 |
本研究では、マイクロ波によって生じる子宮胎盤循環不全と胎盤機能障害に対して胎児側の神経内分泌系を中心とした防御機構の役割を明らかにする。マイクロ波暴露装置を用いて、妊娠ラットにAmerican Conference of Industrial Hygienists(ACGIH)とAmerican National Institute(ANSI)の環境基準である0.4W/kgのマイクロ波を暴露し、暴露中の胎児側胎盤血流量及び子宮側胎盤血流量をモニターした。胎児試料から視床下部と下垂体の脳組織試料を作成し、胎児視床下部CRHと、胎児下垂体オピオイド受容体を評価した。その結果、CRH受容体拮抗剤であるα-helical CRH(9-41)の前投与によっては、子宮胎盤血流量の低下は起こらないことがわかった。また、cyclooxygenase拮抗剤であるindomethacinの前投与によっても、血流量の低下を抑制できた。マイクロ波暴露に際し、胎児視床下部CRHのmRNAの発現は認められなかったが、α-helical CRH(9-41)あるいはindomethacinの投与によって認められたことから、0.4W/kgのマイクロ波暴露では、胎児視床下部CRHが母胎の胎盤循環機能の制御にすでに関わることで、胎児の防御機構が働くことが示唆された。一方、環境基準の5倍の2.0W/kgを暴露させた場合、その防御機構は働かず、母胎ともに温度上昇がもたらすことが認められた。したがって、現行の安全基準内であれば、防御機構は働き、十分、そのマイクロ波の暴露は、安全であることが示された。環境基準を大きく超えて、温度上昇をもたらすマイクロ波暴露は、妊娠の経過に、温度上昇による諸影響を与える可能性は示唆された。
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