研究課題/領域番号 |
13470088
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市原 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90252238)
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研究分担者 |
前多 敬一郎 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30181580)
柴田 英冶 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90206128)
上島 通浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80281070)
束村 博子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00212051)
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キーワード | 1-ブロモプロパン / フロン代替溶剤 / 神経毒性 / 生殖毒性 / バイオマーカー / 蛋白付加物 / 神経特異蛋白質 / エノラーゼ |
研究概要 |
(1)48匹のウィスターラットを12匹ずつの4群に分け、1-ブロモプロパンに200、400、800ppm、新鮮空気に一日8時間、2週間曝露した。曝露終了時にラットを麻酔し、精巣、精巣上体を切り出し、右の精巣上体尾部を細切し、精子数と運動率の評価を行った。左精巣上体と精巣はCK-B、α-S100、β-S100、γ-エノラーゼをサンドイッチ型のEIA法にて測定するために用いた。精巣上体精子数は変化がなかった。しかし精子運動率は800ppmで有意に低下した。γ-エノラーゼは200ppm以上で量依存的に増加したが、精巣においては変化しなかった。対照的に、α-エノラーゼは400ppmと800ppmとで精巣で有意に増加していた。αS100は800ppmで精巣上体だけで有意に増加し、βS100は800ppmで精巣上体で増加していた。精巣上体におけるγ-エノラーゼと精巣におけるα-エノラーゼは精子指標より敏感であった。神経特異蛋白質は敏感で臓器特異的なバイオマーカーを提供するかもしれない。 (2)32匹のウィスター雄ラットを8匹ずつの4群に分け、1-ブロモプロパンに50、200、800ppm、新鮮空気に曝露した。一日8時間2週間曝露を行った。2週間曝露終了後,麻酔下で腹部大動脈から全血採取し、同時に脊髄を取り、凍結保存を行った。血液からはグロビン、脊髄からはニューロフィラメントを含む分画を抽出し、LC-MSにて蛋白付加物を測定した。蛋白付加物S-Propylcysteineが曝露量とすぐれた相関をしていることが明らかとなった。
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