研究課題/領域番号 |
13470103
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
菱田 繁 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10068463)
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研究分担者 |
木下 博之 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (00284357)
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キーワード | 慢性アルコール投与 / メタンフェタミン / エタノール / 脳内微小透析法 / ドパミン / セロトニン / アルコール嗜好性 / トランスポーター |
研究概要 |
本研究では、覚せい剤誘発性の中枢神経作用とそれに及ぼすアルコールの効果について考察する目的で、高および低アルコール嗜好性ラット(旧HAPおよびLAP)を用い、メタンフェタミン(MAP)投与後のラット脳内線条体における神経伝達物質であるドパミン(DA)およびセロトニン(5-HT)の動態に対する急性および慢性エタノール(EtOH)投与の影響について、脳内微小透析法によりその依存形成メカニズムの端について検討した。その結果、特にHAPでみられた慢性アルコール投与の影響は、MAP作用により誘導される細胞間隙内のDA、5-HT増加率の上昇、すなわち慢性的なEtOH投与がシナプス前ドパミントランスポーターやセロトニントランスポーター密度の減少あるいは再取り込み機能の低下をきたすことによって上昇するDA、5-HT増加率が、急性EtOH投与の影響でさらに増加し、その結果として中枢神経における抑制系の抑制を促進し、覚せい剤による興奮系の効果をさらに促進・増強させることが考えられる。さらにHAPでは、受容体以下の神経伝達機構に中枢興奮薬に対する生来的な高感受性があると考えられることから、EtOHの慢性投与時にMAPとEtOHを併用投与することで、LAPよりも容易に異常精神症状にまで至る中枢興奮作用が強く表出される危険性も推察される。本研究においてアルコール嗜好性の高いラットでのみ中枢神経におけるMAP効果が急性・慢性いずれの場合もEtOHによっても増強されることを明らかにした。アルコールや覚せい剤によって表出する様々な現象を解明するためには、今後さらにこれらの要因についても詳細な検討が必要であると同時に、薬物の乱用とそれに伴う依存症とその関連障害の機構を解明するにあたり、アルコールを含めた乱用薬物に対する感受性差や反応性差異を検討するにはアルコール嗜好性を十分に考慮する必要があると考えられる。
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