研究課題/領域番号 |
13470107
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
|
研究分担者 |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
渡邊 すみ子 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60240735)
田中 廣壽 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00171794)
河崎 寛 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80280957)
|
キーワード | T細胞 / CD45RAナイーブ / CD45ROメモリー / CD9 / 共刺激 / アポトーシス / 自己抗原 / β2GPI |
研究概要 |
ヒトT細胞は表現型及び機能共に多様性の細胞集団から成り立っており、CD45アイソフォームやCD29分子の発現によりCD45RAナイーブ及びCD45ROメモリーT細胞に分けることができる。ヒトT細胞上に発現するユニークな細胞表面分子を同定するために、CD45RAナイーブT細胞と選択的に反応する5H9抗体を確立した。レトロウイルス発現クローニング法により5H9抗原はCD9分子と同一であることを明らかにした。T細胞上のCD9(5H9)の発現レベルはマイトジョン刺激により増加した。さらにCD9(5H9)抗体はCD3抗体とのサブマイトジェニックな条件下で、T細胞の共刺激能を有していた。また特に活性化T細胞においてCD9分子を2次抗体とともにクロスリンクすることにより、アポトーシスも誘導した。さらにCD45RA+ナイーブT細胞は自己抗原であるβ2-GPIに反応したが、CD45RO+メモリーT細胞は反応しなかった。そこでCD9+CD45RA+及びCD9-CD45RA+T細胞のいずれの細胞がβ2-GPIに反応するか調べたところ、CD9+CD45RA+T細胞はCD9-CD45RA+YT細胞と比して自己抗原であるβ2GPIに選択的に反応した。さらにCD9抗体はT細胞のこれらの自己抗原反応への反応性を抑制することからCD9分子そのものがCD9+CD45RA+T細胞の自己抗原反応性も調節している可能性を強く示唆した。
|