研究課題/領域番号 |
13470109
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (30248562)
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研究分担者 |
岡田 洋右 産業医科大学, 医学部, 講師 (80333243)
齋藤 和義 産業医科大学, 医学部, 講師 (30279327)
塚田 順一 産業医科大学, 医学部, 助教授 (20227367)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / リンパ球 / T細胞 / 血管内皮細胞 / サイトカイン / 細胞表面抗原 / 帰巣分子 / 臓器特異的浸潤 |
研究概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)では、自己応答性T細胞、B細胞の活性化と自己抗体過剰産生が病因・病態形成に関与する。末梢血中を循環する免疫担当細胞は、血管内皮細胞と接着した結果組織内へ遊出して免疫応答を担う。SLEでは、肺・腎・中枢神経などの特定臓器に病変を認めることが多く、これらの生命臓器における進行性病変は予後と強く関連するが、特定臓器病変の発症機序は未だ不詳である。 平成13年度は、SLE患者末梢血リンパ球を皮膚病変の有無で解析し、皮膚病変を有するSLE患者でTh2及びTc2サブセットに於いて皮膚関連帰巣分子CLAの発現増強を認め、皮膚病変の顕著なSLE患者T細胞は、皮膚由来血管内皮細胞と高率に接着した。即ち、T細胞及び血管上に、特定臓器病態の形成過程に関与する分子の存在が示唆された。平成14年度は、骨・骨髄、肺、脳、皮膚、肺、腎、関節滑膜、甲状腺などの多臓器の微小血管から血管内皮細胞を精製し、一部はSV40 large T antigenを転移導入してクローン化に成功した。東大先端研との共同で、内皮細胞より合成したcDNAを用いてマイクロアレイとハイブリダイズし(DNAチップ法)、例えば、滑膜由来内皮細胞では、CD40L、エンケファリン、テトラネクチン、C1インヒビター、CSF-1等が、他の臓器由来内皮細胞に比較し、圧倒的に高発現するとの結果を得た。 平成15年度は、DNAチップ法による解析を更に進展させ、各臓器由来の内皮細胞に発現する特異的遺伝子の発現スコアリングによりデータベースを構築し、mRNAおよび蛋白質レベルでの網羅的発現解析を行い、さらに、プロテオーム解析による治療標的分子の検索と同定を行い、T細胞の臓器特異的再循環を制御する上において、最も有効な治療標的を特定する。
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