研究課題/領域番号 |
13470113
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
立元 一彦 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60240694)
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研究分担者 |
須賀 比奈子 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (50261186)
清水 弘行 群馬大学, 医学部, 講師 (20251100)
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キーワード | BRS-3受容体 / リガンド / オーファン受容体 / アペリン / 摂食 / ボンベジン / 消化管組織 |
研究概要 |
我々は、ブタの胃および腸組織抽出液からBRS-3受容体リガンドの分離精製に関する研究を行い、BRS-3受容体の内因性リガンドが分子量3000ダルトン程度のペプチドであることを見いだした。しかし、精製の過程でリガンドの著しい失活を伴うこと、また、組織中のリガンド含量が微量であることなどから、内因性リガンドの化学構造を決定するまでには至らなかった。そこで、BRS-3受容体の発現細胞および合成リガンドを用いて、BRS-3受容体の情報伝達機構および生理作用の解明に関する研究を行った。その結果、BRS-3受容体リガンドの細胞内カルシウムを介した情報伝達機構を解明し、BRS-3受容体リガンドの細胞増殖および細胞遊走における新しい作用を見いだした。 一方、我々は新規生理活性物質アペリンの摂食に関する作用を検討するため、アペリン12をラット脳内に投入したところ、夜間では投入から2-4時間後に濃度依存的に摂食量が減少することを観察した。一方、昼間ではアペリン12の脳内投入によりラットの摂食量が増大することを見いだした。これらのことから、アペリン12が夜間と昼間におけるラットの摂食量を調節する脳内物質である可能性を示唆した。 さらに、我々はブタ脳および腸組織からBRS-3受容体以外の新規オーファン受容体リガンドを検索するため、受容体発現細胞アッセイ法を用いて一連の精製実験を行った結果、新しいリガンドの単離に成功し、現在、その化学構造の同定に関する研究を行っている。
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