• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

消化器癌進展に関する遺伝子変異のゲノム情報解析

研究課題

研究課題/領域番号 13470114
研究機関東京大学

研究代表者

油谷 浩幸  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (10202657)

研究分担者 児玉 龍彦  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90170266)
キーワード肝細胞癌 / マイクロアレイ / 腹膜播種 / 悪性化 / リンパ節転移 / 胃癌
研究概要

肝細胞癌
肝癌25例、肝硬変10例、慢性肝炎6例、および転移性肝癌患者由来の正常肝8例のサンプルを4万個の遺伝子についてオリゴヌクレオチドアレイ(GeneChip, Affymitrix社)を用いて発現プロファイリング解析をおこなった。癌部の解析では脱分化により発現が変動する数十の遺伝子が抽出された。また、一部の結節内結節の症例(同一患者の癌結節の中に一部悪性化した小結節が含まれるもの)を用いた解析では悪性化に伴う7遺伝子を抽出したが、これらは他の症例においても悪性化とともに発現が上昇することが確認され、肝癌の悪性化マーカー遺伝子であることが確認された(未発表データ)。癌で発現の亢進していたGPC3遺伝子に関してはさらに機能解析を行い、FGF2と結合すること、およびBMPの経路を介して増殖促進作用を有することを明らかにした(論文投稿中)。
胃癌
正常胃粘膜と比較して胃癌で発現の上昇している遺伝子の包括的遺伝子発現解析を行った。胃癌22例、正常部8例の合計30例について約7000の遺伝子について、オリゴヌクレオチドアレイを用いて発現解析実験を行い、胃癌で有意に発現が上昇している遺伝子のうち、平均発現レベルが正常部の2.5倍以上に達する162の遺伝子を同定した。これらの遺伝子の機能分類では増殖、浸潤などに関連する遺伝子が多く含まれた。さらに、リンパ節転移を伴う胃癌の群で高発現の7遺伝子も同定したが、多くは細胞の運動能に関連する機能を有していた。一方、胃癌細胞株で腹膜高転移性の亜株(OCUM-2MD3)と低転移性の親株(OCUM-2M)での遺伝子発現解析により、転移に関連する十数個の遺伝子も同様に同定した。現在、これらの遺伝子を親株に安定高発現させた細胞株の樹立およびそれらを用いたin vitroおよびin vivoの機能解析を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takahashi M, et al.: "Fish oil feeding alters liver gene expressions to defend against PPARalpha activation and ROS production"Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 282(2). 338-348 (2002)

  • [文献書誌] Hippo Y, et al.: "Global gene expression analysis of gastric cancer by oligonucleotide microarrays"Cancer Res.. 62(1). 233-240 (2002)

  • [文献書誌] Takabe W, et al.: "Anti-atherogenic antioxidants regulate the expression and function of proteasome alpha-type subunits in human endothelial cells"J Biol Chem. 276(44). 40497-40501 (2001)

  • [文献書誌] Saiura A, et al.: "A comparison of gene expression in murine cardiac allografts and isografts by means DNA microarray analysis"Transplantation. 72(2). 320-329 (2001)

  • [文献書誌] Akiyoshi S, et al.: "Targets of transcriptional regulation by transforming growth factor-beta : expression profile analysis using oligonucleotide arrays"Jpn J Cancer Res. 92(3). 257-268 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi