研究概要 |
平成13年度までの研究経過 [骨髄細胞から肝細胞へに分化評価モデルの開発の経過] (方法)GFPトランスジェニックマウスより全骨髄血を採取し同種同系のマウスに尾静脈より投与する。四塩化炭素CCL4の持続投与により持続的な肝障害を起こらせた群と,正常群にそれぞれのGFP標識された全骨髄細胞を採取し,各群のマウスに標識蛋白陽性の肝細胞あるいは胆管細胞が存在するかどうかを骨髄細胞を投与後,1週間,2週間,3週間,4週間と経過に従い観察し,GFP陽性細胞の肝臓への遊走の有無を,蛍光顕微鏡および免疫染色にて確認する。さらに肝細胞系表面分化マーカー(アルファフェトプロテイン,アルブミン),胆管細胞系分化マーカー(サイトケラチン7・19)を使用し,肝細胞・胆管細胞への骨髄細胞の分化の有無について検討した。(結果)GFP陽性細胞が持続肝障害群においては,肝臓に遊走され,GFP陽性細胞が,肝細胞および胆管細胞の分化マーカーを併せて発現していることが明らかに。このモデルは骨髄から肝細胞・胆管細胞への新しいin vivo modelの開発に成功したと考えられた。 [HHMの機能解析] 平成13年度からは,肝幹細胞(oval cell)の発生する一つのモデルのコリン欠乏アミノ酸置換食投与ラットにおいて肝過形成結節のFociにHHM mRNAの発現が上昇していることが明らかになった。またHHMを認識する抗体を既に作成し,実際の肝細胞癌において高率に陽性細胞の存在の確認をHHMの発現が上昇していることが明らかになった。またアデノウイルスHHMを作成し,HHMが細胞周期のS期を増加させることが明らかになった。
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