研究課題/領域番号 |
13470123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
大槻 眞 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030916)
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研究分担者 |
田口 雅史 産業医科大学, 医学部, 助手 (80369058)
中村 早人 産業医科大学, 医学部, 助教授 (90207902)
田代 充生 産業医科大学, 医学部, 助手 (20341498)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | survivin / 急性膵炎 / アポトーシス / 抗アポトーシス / 再生 / 細胞増殖 |
研究概要 |
タウロコール酸膵管内注入によるラット急性出血性壊死性膵炎モデルにおいて、膵炎作製24時間後における膵組織内のsurvivin mRNAが過剰発現していることをRT-PCR法で証明した。次に、mRNAの発現量を比較するために、膵炎作製12、24、36、48、72時間後の膵組織内のsurvivin mRNAの発現をノーザン・ブロット法で見たところ、膵炎作製前にはsurvivin mRNAの発現は認められなかったが、膵炎作製36時間以降に著明に増加した。さらにsurvivin蛋白の局在を検討するために、膵炎作製48時間後の膵組織において、抗survivin抗体を用いた免疫組織化学染色を行った。Survivin蛋白は、膵管上皮細胞の細胞質と核、腺房細胞の核、及び炎症細胞に認められた。次に、survivinとアポトーシスの関係を見るために、膵組織を用いてTUNEL染色とsingle strand(ss)DNAの免疫組織化学染色を行ったところ、TUNEL陽性細胞及びssDNA陽性細胞は共に腺房細胞のみであった。さらに、survivinと細胞増殖の関係を見るために、ラットを犠牲死させる1時間前にBrdU5ml/kg体重を静脈内投与し、免疫組織化学染色でBrdU陽性細胞の局在を検討したところ、膵管上皮細胞、腺房細胞及びtubular complexの核にそれぞれ認められ、さらに炎症細胞にも認められた。ssDNA陽性細胞はBrdU陽性細胞とは異なっていた。蛍光免疫染色では膵管上皮細胞核の一部にsurvivinとBrdUが共に陽性に細胞を認めた。これらのことから、急性出血性壊死性膵炎後において発現が増加するsurvivinは、腺房細胞においてはアポトーシス誘導を抑制し、また、膵管上皮細胞においては細胞増殖を促進している可能性が示唆された。
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